なぜ天皇は猫背なのか?
昭和天皇もそうであったが、今上陛下もやや猫背気味のご様子である。
これには理由があるという話を聞いたことがある。
普通の人が天皇にお会いすると、畏れ多くてガチガチに緊張してしまうだろう。
その昔、真珠王 御木本 幸吉氏(「ミキモト」創業者)は、晩年、昭和天皇をお迎えした折、緊張のあまり、
「あんた、よう来なさった。」
と口走ってしまったという。
(明治天皇には「世界中の女性の首を真珠で飾ってご覧にいれます。」とちゃんと申し上げることが出来たのに)
御木本氏ならずとも、戦後とはいえ、戦前・戦中の教育で「現人神」との教育を受けた方であれば、如何ばかりであろうか。
そういう人を前にして、もし陛下が堂々と胸を張って立たれ、恐縮している人の上から、お声掛けをされたら、一層萎縮してしまう。
少しでも威圧感を与えないように、萎縮しないようにとのご配慮から、陛下は極力腰を曲げて、低い視線で話しかけられるのだそうだ。
現在の陛下を見ても、先帝陛下同様に腰と視線が非常に低く、物腰も穏やかである。
皇太子殿下もとても礼儀正しい御方と伺っている。
私もひとつのエピソードを聞いたことがある。
当時、学習院大学に在学していた私の友人Nが、図書館の書架で本を探していた。
狭い書架と書架の間で本を探す友人の前を何人もの人が無言で通り過ぎる。
その中で、ただ一人の男性が、
「すみません」
と頭を下げて通り過ぎていった。
友人が、その方を見ると皇太子殿下だったという。
このような話を聞くと、昭和天皇から始まる伝統は、着実に継承されているようである。
立場は全く違うが、陛下を見習いたいと、挑戦してはみるのだが、非常に難しい。
改めて、皇室の凄さを感じた。
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