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2004/09/06

リクルートと富士通

「内側から見た富士通『成果主義』の崩壊」

こういう本が売れているらしい。
社員の「需要」を見込んだ招魂たくましい富士通の主要拠点近くの本屋では、
平積みとなっている。

中には「話題の本」「ビジネス書」「レジ横」3箇所も念入りに山を築いている
書店もあった。

この本屋だけ見ると「セカチュー」や「ハリーポッター」にも負けていない。

映画化も近そうな雰囲気である。

一時は、「産業再生機構行き」「電機業界ひとり負け」など散々言われていた
富士通である。
幸い、2003年度決算では、公約を果たし、株価も2003年春の300円台から、
今は600円台に回復、一段落ついたと見られていたところでの出版である。

高橋信夫氏の「虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ」が出版
された前後から、成果主義の歪みに関する記事や特集が出ていたので、
その流れも含んだ出版だと思われる。

確かに「富士通の業績不振=成果主義の弊害」と聞けば、世間的に非常に
「わかりやすい」ように思う。

私も発売日当日に購入し、数時間で一気に読んだが、この本の内容に関す
るコメントをことさら話すつもりはない。(思うところはいっぱいありますが)

ただ、この会社に籍を置いた人間が、かくも悪しざまに古巣のことを公にしな
ければならないのか?

むしろ、その方が気になる。

一方、その企業のOB・OGが、転職後に古巣に謝辞を惜しまない企業がリクルートである。

少し調べただけで、

「リクルート流仕事ができる人の原理原則」 中尾 隆一郎 (著)

「大事なことはみんなリクルートから教わった」 柳谷 杞一郎 、藤田 久美子 (著)

「リクルート流 『最強の営業力』のすべて」 大塚 寿 (著)

など多数ある。

もちろん、暴露本的なものもある。
また、全てのリクルートOB・OGが古巣に感謝している訳ではないこともわかって
いる。

でも、この違いはなんだろう?

当然、企業文化や社員を育てる姿勢などもあるだろう。

最も大きな要素は、目的を持ち、会社を自己実現の場として考えていた人が、
リクルート社員には多いのではないか
と思うのである。

以前、「熱いクラス」を担当していた時に、研究のために何冊かリクルート関係の本を
読んだ。

基本的に共通しているのは、リクルートに感謝する内容の本を書いているOB・OGは、
リクルートに入ったことがゴールなのではなく、リクルートは自己実現のステップであり、
そこで何を身につけることを決めた上で入社している。

別の言い方をすれば、彼らはリクルートを一種の学校として考えているようである。

そして、必要なことを学び終えると「卒業」していくのである。

目的を持った人間は強いし、明るい。
自分の今の位置がわかっているし、ゴールも見えているから。

大きな組織にいたとしても、流されながらも位置を把握し、そこから目的達成のために必要な
ことを学ぶのである。

富士通の社員が、全て城氏のような考えであるとは思えないし、富士通の業績不振や不満の
原因の全てが成果主義にあるとも思えない。

経営者や会社にも問題があるのだろうが、もっと別な原因があると思う。

最も大きな原因は、夢や目的を持った人間が少ない、あるいは少なくなったことではないのか?

これは、私の仮説である。

入社した時は、いろんな夢があったはずである。

富士通に入ることが目的じゃなく、富士通で何をやるのかを思い出し、その目標に向かって
それぞれが走り出せば、不平の渦も鎮まるだろう。
そして、個々人の流れは、やがて大きな河となり、新しい企業活力へと繋がっていくはずである。


富士通の元新人のみなさん。
そろそろ現実に流されて夢を失っていませんか?

やらずに我慢するよりも、まずはチャレンジしてみませんか?
例え失敗しても何かが残りますし、そこでスパッと諦めて気持ちよく次のことに移れます。

後悔とは、やって失敗したときややれる能力が足りなかったときよりも、やれる能力がある
にもかかわらずやらなかったときに強く感じるものです。


「大事なことはみんな富士通から教わった」とか「富士通流 『最強の営業力』のすべて」 といった類
の本が、何年か先に富士通OB・OGから次々に出版されることを願っています。

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コメント

富士通は成果が上がったら社長の手柄、成果が下がったら社員の責任と公言してるからでしょう。

投稿: Yam | 2004/09/06 08:24

確かにそれもあるかも知れません。
でも、どうなんでしょう?
本当にそれだけでしょうか?
社員に自分の仕事に対する情熱と誇りがあれば、社長が何を言おうと関係ないと思います。
それが無くなってしまったことの方が、私は問題だと考えています。

投稿: CYRO | 2004/09/06 21:37

20年ほどまえを考えれば、富士通は学生にも人気の高い企業だったと思います。その他、JAL、SONY、NTT、JTB、銀行・・・優秀な人材を塩漬けにしてしまったのだと思います。
無目的に社員を採用していたのでしょう。

リクルートは急拡大したため、目的にあわせて社員がやってきて、そして去っていった。

産業再生機構のシンポジウムの話題について別途TBさせてください。

投稿: おおた葉一郎 | 2004/09/09 15:28

あれ?葉っぱがついてますね。とかいって。

投稿: nako | 2004/09/18 08:49

著者の富士通に対する憎しみに似た気持ちはOBである僕にも理解できます。
つまり「成果主義」の負の成果とはこれではないでしょうか?実際、体験した者でしかわからない気持ちだと思います。

投稿: NetPub-Project | 2004/10/12 17:13

FDクラススタッフ控室(地下2階)
CYROさま

はじめまして。
オンラインブックガイド新刊JP編集部と申します。
突然のコメント、失礼致します。

以前ブログにて「リクルート流『最強の営業力』のすべて」をご紹介くださった方にコメントさせていただいております。
ただいま新刊JPでは、「リクルート流『最強の営業力』のすべて」の著者である大塚寿氏の新刊、『職場活性化の「すごい!」手法 (PHP研究所) 』の出版を記念して特集ページを開設いたしました。

http://www.sinkan.jp/special/workstyle/index.html

こちらより、著者の大塚寿氏のインタビュー記事を掲載しております。
また、同書籍の読みどころを音声で紹介している「新刊ラジオ」を視聴することもできます。

是非、ご覧ください!

投稿: 新刊JP編集部 | 2009/02/06 20:50

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