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2004/09/20

童話「おおきなかぶ」は危険思想書

みなさんは、童話「おおきなかぶ」をご存じだろうか?

国語教科書の定番 光村図書の小学校の教科書にも収録され、1966年(昭和41年)に福音館書店で発行された絵本は、ロングセラーを続けているので、一度は読んだことのある人が多いのではなかろうか。

おおきなかぶ―ロシア民話
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念のために、おさらいをしておくと、おじいさんが蒔いたかぶの種が、とんでもなく巨大に育ち、おじいさん、おばあさん、孫、犬、猫、ネズミが引っ張って、ようやく抜けた、というストーリーである。

さて、この一見何でもない童話が「社会主義思想を煽るもの」として、自民党が批判していたのをご存じだろうか?

1980年頃に「偏向教科書キャンペーン」の嵐が吹いた。
その嚆矢となったのが、自民党「自由新報」で組んだ特集「いま教科書は」であった。

その後「改訂」された社会科の教科書が、

文部省(当時)の圧力で、戦前の日本の大陸「侵略」の記述が「進出」に改められた。(※)

と報道された。

その結果、韓国中国猛烈な抗議が巻き起こるという、今に続く「教科書問題」の原点もこの頃である。

話を元に戻そう。
この「自由新報」の特集記事は、後日、小冊子にまとめられて一般に販売された。

1980年代後半、当時 大学生だった私は、東京 永田町にある自民党本部を訪ね、数々の「自民党グッズ」とともに一連の政策提言書を購入した。

発表から10年近く経っていたが、「いま教科書は」も数百円で販売されていたので、即、購入した。

そして、その中に前出の「批判」が書かれていたのである。
原本が手元にないので、記憶を頼りに書くが、批判の論点は以下のようだったと思う。

・「おおきなかぶ」は、ロシア民話である。
・作者は、ソ連(当時)の人
・その内容は、集団労働と団結という社会主義思想を学ばせるものである。
・しかも、これを日本の全ての小学1年生が勉強する。
・だから、けしからん!

過激な議員が勢いでしゃべった内容だとしても、失笑してしまうが、これを政権党機関紙特集として掲載し、さらに小冊子とはいえ、書籍にまでするとは...
恥の上塗りもここまで来ると感動すら覚えた。

その後も「おおきなかぶ」は教科書に収録されてたが、攻撃キャンペーンが続いたという話も聞かない。

あれは一体何だったのだろうか?

まさかネタとは思えないが...

※現在では「『侵略』を『進出』に書き換えるように
 指示した事実はなかった」ことがわかっている。
 産経新聞以外のメディアは、誤報であったことを報道
 していない。


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コメント

>あれは一体何だったのだろうか?

自民党はこのころから機会をうかがっていたのでしょう。

それが村山談話の撤回や集団的自衛権の容認への動きに繋がっていくわけです。

投稿: | 2014/03/01 15:07

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