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2004/10/04

「ハリポタ」5作目の売上不振で「ハリポタ不況」へ?出版業界は戦々恐々

ハリー・ポッターシリーズの第5弾「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団の発売から
約1ヶ月

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 ハリー・ポッターシリーズ第五巻
J. K. ローリング J. K. Rowling 松岡 佑子
静山社 (2004/09/01)
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3 ここまで長くしなくてもいいのでは?
4 頑張れハリー!
5 とても辛かったです。

このブログでも発売当日このように書き、先行きを不安視していたが、「予想通り」
芳しくないらしい。

金曜日の読売新聞でこのような記事を見つけた。

「ハリ・ポタ」売れ行き鈍化、大量在庫に書店戸惑う

9月1日初版史上最高の290万セットで発売をスタートした「ハリー・ポッター」第5作だが、
期待したほどの勢いがなく、消化率は65~67%

発売後、2週までは「順調」だったが、3週目に「冬のソナタ」関連本にトップを譲ったあたり
から、雲行きが怪しくなる。

前作は、初版230万セットから第3週で310万セットに到達、8週間連続ベストセラー1位をキープしていたことを考えると、確かに勢いがない。

「ハリー・ポッター」を押さえて、1位を奪った「『冬のソナタ』関連本」とは、ワニマガジン社から
出ている「もうひとつの冬のソナタ」

もうひとつの冬のソナタ
キム ウニ ユン ウンギョン うらかわ ひろこ
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4 改めて観たくなりました!
5 感動がまたよみがえります。
5 心が昇華されました!

他の「冬ソナ」便乗本と違って、これは、「冬ソナ」 の女性脚本家 キム・ウニ、ユン・ウンギョン
両氏の手による正統本である。

しかも、「空白の3年間」「その後のチュンサンとユジン」といったファンが気になる話が「きっちり」
書かれているので、売れる要素は十分。

トドメは、NHK地上波での放送終了から1ヶ月経って、「冬ソナ」ファンの心にポッカリと穴が空いて
いたところだから、これ以上のタイミングはない

ただ、このまま大量に「ハリポタ」の在庫が残ると、書店のスペースの問題や資金繰りに影響
し、他の書籍の仕入れにも直結しかねないらしい。

4作目から「買い取り制」になったため、書店は返品が出来ず、残った分が、そのまま「不良
資産」
になりかねない。

※「買い取り制」は非常にレアなケース。
 岩波書店、雑誌ではイトーヨーカドーが出している「saita」くらいしか私はすぐに思い付かない。

もし、このまま急減速がかかると出版業界に「ハリポタ不況」が来るなんてことにもなりかね
ない。

先に紹介した読売新聞の記事では、出版問題に詳しいエッセイスト、井狩春男氏の分析として、

・シリーズものは5巻目あたりから下降するのが普通。
・出版社は事前調整の必要があった。
・初版200万セットが適正。

としているが、私はこう思う。

今年公開された映画「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」で起こった同様の「異変」に静山社も
書店も気付くべきであった。

監督の交代による「前作までと違って大人向きになってしまった」という評価もさることながら、そこ
に内包されていた「異変」をしっかりと認識すべきであったのではないか?

出版前に販売戦略の軌道修正も出来たはずである。


「初版290万セット」で話題性を取り、一斉に露出して「売れている感」「盛り上がっている感」を出す
という戦略は危険な賭けであったと思う。

前作に比べて、勢いが衰えたとはいえ、初版290万セットの70%を1ヶ月で売り切ったということは、
相当なパワーである。

1ヶ月で200万部売れる本なんて、そうザラに出てくる訳ではない。

しかし、あまりにも店頭で積まれている数が多いので、

・「いつもある」→いつだって買える。

・「山が減らない」→あまり面白くないのでは?

と消費者が思ってしまったのではないかと推測している。

私は、静山社は、出荷を絞って「飢餓感」を演出するべきだったと考える。初版290万部を
印刷したのは事実だから、それは公表してもいい。

報道されれば、「きっと売れるのだろう」というふうにテレビの視聴者や新聞
の読者に受け取ってもらえる。

そこから先は、

・「ハリポタ」5作目の広告や告知が出る。→またベストセラーになるんだろうな

・テレビや新聞で「売れそうだ」と報道されていた。→マスコミもそう思っているんだ。

・「書店で積まれる『ハリポタ』最新作の山」の映像が流れる。→やはり、売れそうだ。

・本屋に行って、自分の目で見た。→ニュースで見た通りだ。

・次に書店に行くと山が減っている。→やはり売れている。

・「売り切れ」の店頭表示がある。→ブームは本当だ。早く買わないと。

・買えた人が誇らし気に語る。→口コミ。当然ここには誇張された表現や感想が含まれる。

早く自分も欲しい!

というシナリオが描けると思うのだが。

あんまり露骨にやると法律に引っかかったり、バッシングを受けたりする可能性はあるが
常識の範囲内であれば、まったく問題はないと考える。

本が大好きな自分にとって、本当に出版界に「ハリポタ不況」が起こって、出版社が新しい
企画に対して保守的になったり、書店の仕入れ資金やスペースの関係で読みたい本が
読めなくなることは何としても避けて欲しい。

これだけは、痛切な願いである。

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