のび太がママで、スネ夫がジャイアン?! 消された過去 日本テレビ版「初代ドラえもん」
今、テレビ朝日系で放送中の人気アニメ「ドラえもん」のメインキャラが交代するとの報道以来、大きな反響を呼んでいます。
25年続いた長寿アニメだけに、その衝撃は今の子供だけでなく、昔 子供だった大人にも及んでいるようです。
この1週間の報道やネットでの盛り上がりを見ても、相当なものです。
間違いなく「総理大臣が交代する」といっても、ここまで話題にならないでしょうね。
それだけ、
ドラえもん=大山のぶ代
の人気とイメージが完全に確立しているからでしょう。
いまや「ドラえもん」と言えば、「大山ドラえもん」だと無条件に思ってしまうだけに、影響の大きさは、はかり知れない。
実写で言えば、「男はつらいよ」のフーテンの寅さん役が変わるくらいのインパクトだと思う。
しかし、この「大山ドラえもん」の、別の「ドラえもん」が存在していたことは、みなさんは、ご存じだろうか?
現在30代後半以上の方なら、ご存じの方もいるかも知れない。
私も最初に見た「ドラえもん」アニメなので、よく覚えている。
(これが「初代ドラえもん」。ずいぶん今とイメージが違います。)
「ハァ~~~、ヨッ 僕のドラえもんが町を歩けば、
みんな みんなが振り返るよ
ハァ~ ドラドラ ハァ~ ドラドラ...
(中略)
だけど ドラえもん いい男~
困った時のドラ頼み ハァ 頼んだよ ハァ 任せたよ
ヤッショ~ マカショ~ ホイ来た ダッサの
ドラえも~ん~♪」
なんていう純和風テイストのオープニングと、
「さっさ さっさと
飛び出せ 飛び出せ 飛び出せ ドラえもん
できないことなど なんにも なんにも なんにもないぞ
光線銃がもの言う もの言う もの言う もの言う
どんなヤツでも恐くは 恐くは 恐くはないぞ
のび太泣くなよ 助けに行くぞ~
宿題なんか 平気だい」
(古い記憶に基づいて書いているので不正確な部分もあるかと思うが)ダダイズム的なレトリックと物騒な歌詞のエンディングが記憶に残っている。
現在放送中の「ドラえもん」が四半世紀続いたことに比べ、短命に終わったせいか、その後、あまり語られることもなかった。
今回の声優交代報道をきっかけに、失われた過去「初代ドラえもん」について改めて調べてみた。
その途中で、「仕分け屋一ツ橋」さんのブログで自分の記事と並んで「初代ドラえもん」の情報を扱った記事を発見した。
き~ぼ~さんの「藤子少年ランド」所収の「幻のドラえもんをたずねて・・・」。
国会図書館から発掘したという過去の新聞記事などが満載でかなり充実しています。
(「幻のドラえもんをたずねて・・・」のタイトルの上のバナー広告のさらに上にある再生ボタンを押すと懐かしい「初代ドラえもん」のオープニングのメロディが流れます。オールドファンには、感涙ものです。)
「幻のドラえもんをたずねて・・・」によると、
「初代ドラえもん」は、
・放送期間:1973年(昭和48年)年4月1日~9月30日
・放送系列:日本テレビ
・放送時間:日曜19:00~
・その他 :1回1話15分×2話放送
全26回52話
子供向けアニメ全盛の1970年代において、わずか2クール(6ヶ月)で終わったわけですから、印象に残らないのかも仕方がないのかも知れない。
そして、気になる「初代ドラえもん」の声優である。
・ドラえもん:富田 耕生(前期)、野沢 雅子(後期)
アクシデントがあって交代したのだろうか?
ドラえもん役は、前半が富田 耕生さん、後半が野沢 雅子さんだったようである。
ちなみに富田 耕生さんは、
「鉄腕アトム」(ひげオヤジ)
「鉄人28号」(大塚署長)
「マジンガーZ」(ドクターヘル)
「ゲッターロボ」(早乙女博士)
といった、おじさん系キャラの声を担当することが多い。
野沢 雅子さんは、
「ゲゲゲの鬼太郎」(初代 鬼太郎)
「いなっかぺ大将」(風大左エ門)
「トムソーヤの冒険」(トムソーヤ)
「銀河鉄道999」(星野 鉄郎)
「ドラゴンボール」「ドラゴンボールZ」(孫悟空/悟飯)
人気アニメの主役キャラを数多く担当されている。
・のび太 :太田 淑子
太田 淑子さんは、
「リボンの騎士」(サファイヤ)
「エースをねらえ!」(1973)(音羽 京子)
「ひみつのアッコちゃん」(1969)(加賀美 あつ子=アッコ)
「ひみつのアッコちゃん」(1989)(加賀美 京子=アッコのママ)
20年経って、アッコちゃんは、アッコちゃんのママに...
これも面白いですね。
この逆バージョンが、のび太。
初代のび太の太田 淑子さんは、「二代目ドラえもん」でのび太の玄孫(やしゃご=孫の孫)セワシ役で登場する。
のび太は、もうひとつある。
・ママ :小原 乃梨子
「初代ドラえもん」の のび太のママが、「二代目ドラえもん」の のび太になっています。
今のイメージで考えると何だか不思議な感じです。
・静香 :恵比寿 まさ子
恵比寿 まさ子さんは、引退されているとの情報もありますが、
「アタックNo.1」(垣之内 良子)
「サザエさん」(初代 タイコ)
「ジャングル黒べえ」(たかね)
→ 今では放送出来ない藤子アニメのヒロイン
といったように割とおっとりしたお嬢様タイプの役が多かった1960~70年代に活躍した声優さんです。
・スネ夫 :八代 駿
八代 駿さんは、
「トムとジェリー」(初代トム)
「いなかっぺ大将」(西 一:にし はじめ)
「山ねずみロッキーチャック」(かけすのサミー)
ちょっとイヤミっぽいキャラクターをいくつも演じているようです。たぶん、今の肝付 兼太さんのスネ夫と比べても違和感ないように思えます。
残念ながら、昨年(2003年)6月25日に脳梗塞で他界されてしまったようです。
享年70歳。ご冥福をお祈りします。
そして、
・ジャイアン:肝付 兼太
えっ!!!
「初代ドラえもん」のジャイアンが、「二代目ドラえもん」のスネ夫?!
今、見ると不思議な感覚ですが、当時は別に自然に受け止めていましたね。
「ドラえもん」は、アニメから入ったので、当然と言えば当然ですが。
でも、これで「二代目ドラえもん」がテレビ朝日系で放送が始まった時に感じた違和感の謎が解けた気がします。
今週末11月30日にテレビ朝日の社長から「ドラえもん」の今後について正式に発表されると聞いています。
どういう結果になるのか、現段階では何もわかりません。
でも、もし「『三代目』ドラえもん」が始まるとしても、時々ゲストみたいな形で、大山のぶ代さん以下、メインキャラの声優さんに出てもらえるとオールドファンの私にはうれしいのですが。
【補足】
「初代ドラえもん」について、関心のある方は、
などに詳しいようです。
サイトを読むと制作会社の解散などで、フィルムもどこにあるのか、わからないみたいです。残念!!
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コメント
はじめまして。
大山さんは降板の事実を新聞ではじめて知ったなんて話もあるんですが実際どうなんでしょう?
投稿: bouzu | 2004/11/29 21:28