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2004/12/15

宇宙から肉眼で見えなかった万里の長城

子供のころ、社会の時間に、

「中国の万里の長城は、宇宙から見ることができる建造物だ。」

と習った。

その後、いくつもの本や新聞でも読んだし、テレビでも見た気が
する。

でも、そういった「常識」を覆すニュースが入ってきた。

「万里の長城は宇宙から見えません」中国科学院が結論

中国文明の歴史〈8〉明帝国と倭寇
(万里の長城)

報道によると、中国科学院は、

幅約10メートルの長城が肉眼で見えるのは、

・一般人で高度約36km

・視力の優れた飛行士でも約62km

まで。

従って、「宇宙空間にはほど遠い」と指摘したそうである。

また、金属建造物でない長城の光の反射には限度があって、

「(宇宙船の)上昇か降下時に、長城が飛行士の目に入るこ
とはあり得るが、ごく一瞬で、はっきり見るのは不可能」

なのだそうだ。

2003年10月に初の打ち上げに成功した中国の有人宇宙飛
行船「神舟五号」楊利偉飛行士が、帰還後に

「宇宙から長城は見えなかった」

と発言したり、

ヨーロッパの宇宙機関が2004年5月に、「宇宙から見た万里の
長城」
として発表した衛星写真について、

「検証の結果、実際は山の谷間に過ぎない」

と中国の科学者らは、否定していたそうである。

歴史的な話になると、「中華思想」「白髪三千丈」の国と言われる
中国であるが、今回の報道をみると非常に冷静で科学的である。

昨年の有人宇宙船打ち上げ成功、経済の発展、北京オリンピック
開催決定などの一連の出来事を通じて、拠って立つところが、過去
の栄光ではなく、現在と未来に向かいつつある中国の自信によるも
のではないかと私は見ている。

それにしても、

「中国の万里の長城は、宇宙から見ることができる建造物だ。」

と最初に言い出したのは誰なのだろう。

有人宇宙船も何度も打ち上げられていて、それを確認して訂正する
機会なんていくらでもあったはずなのに。

検証することなく、「自明の理」として使い続けてきた有識者の責任も
あるのだろうが。


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