なぜマクドナルドの店員は「~プリーズ」というのか?
マクドナルドに行くと、
「~プリーズ」
「サンキュー」
と、店員が言うのを聞いたことがあると思う。
今やマクドナルドだけでなく、他のチェーンでも使われていたりで、あまりにも聞き慣れ
過ぎてて、気にもならない人も多いかも知れない。
でも、前に書いたように私は、こういった中途半端な言葉の使い方に非常に違和感を
覚える。
と、同時に、なぜ、このような言葉の使い方が生まれたのかに興味がわく。
藤田 田(ふじた でん)氏が率いる藤田商店が、日本にマクドナルドを導入した際に米国マクドナルド社のマニュアルを翻訳した時に何かあったはずである。
そうでないと、あんな中途半端な翻訳になるわけがない。
実は、この辺の背景は、ちゃんと藤田氏は自著「ユダヤの商法」の中で述べている。
ソフトバンクの孫 社長も、この本に感銘を受けてアポ無しで藤田氏に会いに行ったのは有名な話。
今は、この本は、改題され、3分冊になったのみたいで、今だと、この本になると思う。
この中で藤田氏は、
「客の”コンプレックス”をつけ」
という小見出しを付けて、次のように述べている。
少し長いが引用する。
私は店員同士のやりとりは、すべて英語でやるように、と教育している。
若い女性客などは、店員同士の英語のやりとりを、うっとりした目で聞いているのだ。それだけで、外国へ来たような気分になるのである。
こうした効果を考えて、私は、あえて従業員に英語を使うことを要求している。
というのも、日本人は、元来、英語に弱い。
語学コンプレックスは、とりもなおさず、外人コンプレックスにつながる。そうすると、奇妙なことに、外人の食っているものは、うまそうに思われてくる。
マクドナルドのハンバーガーは、もともと外人の食物であるが、それだけに日本人の外人コンプレックスをつくとよく売れる。従業員に使わせる英語は、日本人の外人
コンプレックスをつく小道具なのだ。
事実、マクドナルドにやってくる外人客は多く、それがまたとない宣伝になって、つりこまれて日本人が買うケースも多い。
「英語を使え」
と私が店員に要求するのは、つまり、日本人のコンプレックスをつけ、ということである。
コンプレックスをつけば儲かるのである。
つまり、あの不思議な言い回しは、
日本人の英語=外国人コンプレックス
を衝くためのものであったのだ。
日本にマクドナルドが上陸したのが、1971年。
戦後26年目だから、社会の中堅以上の層である30代から上の世代には、特に効果があったのかも
しれない。
当時は、焼き手が焼き上がったハンバーガーを包む店員に渡すときには、
「ラップ・アップ・プリーズ!」
と今以上に英語が徹底されていたそうだから、なおさらであろう。
今は、かなり日本語化が進んでしまっているが、尾てい骨のように当時の痕跡を残しているのが、あの
「~プリーズ」
「サンキュー」
などの中途半端な英語のフレーズだったのである。
P.S:
藤田氏の著書には、度々ユダヤ関係の話が登場する。
探せば、もっと何か隠されたものが出てくるかも知れない。
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