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2006/02/22

韓流の次に来るのは?

「韓流の次に来るのは何でしょうね?」
「韓流はまだ続くんでしょうか?」

仕事でインターネット配信用の映像関係の買い付けみたいなことをやっているので、時々こんな話題になる。
日本で『冬のソナタ』が本格的にブレイクしてから2年ほどが経つ。

2004年の夏くらいには、業界スジでは、

冬のソナタ Vol.2

「韓流は(2004年の)年内まで。」

という説がまことしやかにささやかれていた。
そして、配給会社や商社は、

「『ポスト韓流』を探せ!」

とばかりに、「二匹目のドジョウ」を狙って、韓国と類似という発想からか、台湾ドラマや中国ドラマ、果てはメキシコ(!)のドラマなどを買い付けに走った。

昨年辺りから、

次は「台流」「華流」だ!

華流旋風 言承旭(ジェリー・イェン) IN 封面人物エーゲ海の恋 VOL.10

とマスコミも盛り上げ、自分の所にもそれらの売り込みが増えた。

しかし、

「この作品のウリはどこですか?」
「どこが一番おもしろいですか?」
「ターゲット層はどこですか?」

と訊いても要領を得ない。
韓流の時もそうだったが、売り込む人もまともに見ていないし、下手したら買い付けた人ですらまともに見ていない観がある。

売り込む相手にとって、未知の作品ならば、せめてセールスポイントくらい整理して来るのが普通であろう。
例え、自分が見ていなくても相手がその作品に惚れ込んで熱心にアピールするなら、話を聞いてみたくもなるし、サンプルビデオも見てみたくなる。

ただ、残念ながら、売り込む方も買う方もそこまでの思い入れは無いようである。

「韓流の時みたいに後でブレイクするかも知れないから、先物買いでやっとくか。」

くらいでしかない。
中には、

「台湾の次は中国、その次はベトナムとかになるのかな。」

生産システムの海外移転―中国の事例を中心として
(正直、これと全く同じような発想です。)

と工場の海外進出地探しのようなことを言う人も出てくる始末。
その程度の認識で決して高くない作品を買うのだから、実に不思議なものである。

国で括るのではなく、どこの国の作品であろうとその中身で判断すべきだと思うのだが。

確かに韓流の場合、中身を見ずに買ってもそこそこのものが集まっていた。
その理由を説明すると恐ろしく時間がかかるので、ここでは割愛するが、この背景をもう少しきちんと考えれば「次はベトナム」みたいな発言は出来ないはずである。
少なくともその業界で飯を食っている人間であれば。

中国が急速に経済成長をしているからということと、そこで生まれた作品が日本人のメンタリティに合って、日本で売れるということは別問題である。
その辺を勘違いしている人が多いように思う。
事実「中国コンテンツの市場は、中国本土だけでなく、全世界の中国語圏に」云々の話をする人がいる。作品への投資ならば大変魅力的だな話だ。
しかし、日本で流す作品について、そう言われても首をかしげざるを得ない。

自分が「目利きが上手い」と思う会社にエイベックスがある。
エイベックスは、その草創期から今の基盤を作るまでにおいて、現社長の松浦さんの目利きであったと思っている。


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東京ドームをディスコにしたり、六本木のクラブ ヴェルファーレでインターネットライブなど派手なイベントをやっていたころでも、「ウチはアーティスト契約はリスキーだから、楽曲契約でやる」と手堅かった。「当たった楽曲のアーティストの次の曲が他社に押さえられて、それが当たって結果的に機会損失をしたとしても仕方がない」と、徹底していた。

見た目の派手さに比べ、その手堅い経営方針に感心したのを憶えている。
(当時の関係者[現エイベックスグループの某会社の偉い人]はエイベックスを評して「ウチは派手顔だけど性格は保守的な女性みたいな会社だよ。」と上手い例えをしていました。)

Very best
(デビュープロモーションの手伝いを断ってしまったんだよな…)

それに比べて、この業界は若いせいか何とも甘いというか、無邪気というか…
直感と勢いで生きている自分がそう思うのだから、なおさらである。

国内にもまだまだ埋もれた才能がある。
それらに資本を投下すれば、日本のエンターテイメント産業はまだまだ伸びる余地があり、国際競争力も増すことが出来る。

希望の国のエクソダス
(「何でもあるが希望だけがない」という国は不幸です。)

そして、多くの若者に希望を与えることが出来る。
これが何よりも大きいと思う。


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コメント

 たいへん共感して読ませていただきました。
「これをぜひ皆さんに紹介したい」という熱い思いをもった企業って、もはや少ないのかもしれませんね。みんないかに楽に儲けるかってばっかり追いかけてしまって、なんか心が無い気がします。

 しかも最近では企業ばかりでなく、素人の自称アフィリエイターの方々も同じようなノリで悲しいです。

 「ブームだから誰かが買うだろ」という人を馬鹿にした思いでは、サービスしてたらダメですよね。

投稿: ろぷ | 2006/02/22 06:40

ろぷさん、コメントありがとうございます。
おっしゃる通りです。
「これをぜひ皆さんに紹介したい」というケースは少ないですね。韓流の初期は、そういう人がいたのですが、残念ながら台流や華流には熱い想いで語ってくれる方は…
そこがブレイクしきれない最大のポイントのような気がします。

投稿: cyro | 2006/02/23 01:35

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