ビジネスモデル万能主義ってどうよ?
iモードの成功あたりからでしょうか、
画期的なビジネスモデルを作り上げれば、あとは黙っていても自動的に儲かる
…と思っている人が増えたのは。
経営企画室とかビジネス戦略室と称する部署には本当に多いですね。
新年度に入った時や株主総会前、あるいは今みたいに景気が悪くて本業が厳しくなった時に「神風を吹かせろ!」というくらいの勢いで経営から「新しいビジネスモデルを考えろ!」と強い圧力がかかるからかも知れません。
特にビジネススクールに行った人には、その傾向が強い気がします。
過去に成功した事例(=ケース)を元に考えるような勉強をして来たからなのでしょうが。
でも、そこに書かれてある事例だって、スタートからゴールまで迷いなく進んだ結果ではありません。
iモードだってそうです。
iモードが立ち上がって間もない頃、当時ドコモにいた夏野さんにお会いして、お話を伺った時も「いろいろ試行錯誤しているんだな」という印象を持ちました。
『iモード事件』にも書かれていますし、詳しくは述べません書きませんが、以前書いた記事でもその一端はわかると思います。
だから、予定調和論的に「iモードは、ビジネスモデルとして成功が約束されていた」なんて言う人がいると苦笑してしまいます。
他にも新しいビジネスモデルでヒットした映画の例もありましたね。
「○○の例では…」と必死に同じことをやろうとする人とか。
そのプロデューサー自身が、「同じことやっても通用しないから、同じことはやらない」と直接聞いていたので教えてあげたら、「否定された」と怒るんです。
全ての成功事例には、表に見えない試行錯誤や失敗があって、一般人は、結果だけしか見ていないことになぜ気が付かないのでしょうね。
簡単なことなのに。
数学の問題を解く時、公式に当てはめて正解を出すだけで満足していたら、ちょっと違う視点から応用問題が出たら対応出来ませんし、公式から外れた問題が出たらお手上げです。
高いレベルの問題を解くためには、公式を覚えるだけでなく、その成り立ちや応用までもマスターしなければならないということは、中学や高校で学んだはずです。
しかしながら、同じことをビジネスモデル万能主義者に対して言うと、激しい憎悪をむき出しにしてくるか、全く相手にされません。
その「正しい」ビジネスモデルに近いか遠いかで善悪を判断してしまいます。
末期のスコラ学派か、日本共○党みたいです。
成功事例にも試行錯誤があって、一発で正解が出せたわけではなく、そのモデルにも寿命があります。
また、今みたいな世の中では、詳しく解説された本が並ぶ頃には、とっくに時代後れになってしまっているはずです。
こういうのを見ると、
ビジネスモデル万能主義ってどうよ?
って思ってしまうのですが。
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