引き継げないもの
売っているものは、モノであって、モノじゃない。
売るのは、世界観や体験です。
それは、世界観を事細かに説明することではなく、乗り物に乗せたり、何かをやらせればいいということでもありません。
情報や体験を通じて、相手が受け取ったものが、相手の中でこちらが意図したように変化し、反応してもらわなければなりません。
それが出来てはじめて、世界観を売る、体験を売るということが言えるのです。
その繰り返しが出来て、リピートにつながるんだと思ってます。
公式サイトの仕事にしても、与えられた情報をそのままきれいにデザインしたものに入れるだけなら、誰でも出来ます。
でも、本来の役割を考えれば、作品の世界観や作り手が伝えたいものを理解して、それが伝わるように確認をしながら、再構成して作り上げなければなりません。
これは、かなり難しい作業で、そう簡単なものではりません。
自分も特集サイトや公式サイトを担当するときは、いつもこの点に悩み、時間をかけています。
タレントのブログでも、その人の特長を把握して、業界内でのポジション、周辺の環境などを分析して、「この部分をピックアップして見せよう」「この切り口でいこう」というものを考えます。タレントのブログは、ファンとのコミュニケーションツールであるのと同時に、仕事を獲得するためのプロフィールシートでもあります。
テレビや映画のキャスティング担当は、たくさんの候補の中からタレントを選ぶ時、必ずブログをチェックしています。その時にいかに目に止まるか、刺さるかを意識した作りにしないと、ただの個人ブログになってしまいます。
本人とマネージャーさんを交えて、ブログ開設時に方向性を決め、開設後も反応を見ながら軌道修正も図らねばなりません。
こういうことが出来て、効果が上がって、はじめてリピーターが付くのですが、果たして、どれだけの人がそれを理解しているかわかりません。たぶん、業界全体を見ても、そこまでやっているところ(というより人か)は少ないと思います。
いくら「仕事は個人ではなく、組織でやるもの」と言われても、「引き継いで」と言われて、そう簡単に教えて引き継げるようなものではありません。
テンプレートに合わせて、効率よくやればいいという考えの人では、相手に信用してもらえませんし、自分でもまだこれが正しいかどうかを確認している試行錯誤の途中なのですから。
ただ、こうしたやり方を評価していただき、ようやくビッグネームのリピーターが出て来ているのに、ここで中断してしまうのは、誠に残念極まりないことです。
迂遠に見えても、地道に信頼を勝ち取っていくことが、結果的には、もっとも早く効率的に大きな利益と幸福が得られると思います。
たくさんの車を効率よく走らせる道路を造るには、出来るだけ真っ直ぐで幅が広く舗装したものがベストです。
砂利道の1車線道路は、確かに早く出来るでしょうが、それで出来ることなんてたかが知れているので、結局は作り直すハメになります。途中から作り替えると、今走っている車のことも考えないといけないので、最初から作るときよりももっと大変です。
こういうことを何時間話しても伝わらないとなると本当に疲れます。
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コメント
こんにちは(*^_^*)
エンタ系アコロック FINAL in名古屋
行って来ました。
私のブログで、CYROさんの2008/01/14の
ブログ引用させていただいてます<(_ _)>
「せきずい」さん達、キラキラ輝いていますね。
今回、エンタ系アコロックという事で
真っ先に思い出したブログでした。
「アナログ化」→CDよりライブ
本当にそう思います。
遠いアーティストのCDより、
身近なアーティストのライブの方が
何十倍も面白い。
昔から、友達の中で時代を先取りするのが
得意な私は、もう浸りきっております^m^
エンタ系アコロックライブは、
もともとアーティスト主導で
立ち上げたイベントで
(楽屋裏の飲み会で決まったそうな)
名古屋では、えちうらのたっくんが仕切って
おりました。
ひなたがアンプラグド(?)で歌ったり
(ゴウさんが絶賛していた)
ジルコニアの今津さんが
幕間を素晴らしい歌声とアコースティックギターで繋いだり、
計算されたぐだぐださでたっくんの司会が
入ったり、絶対に見れないコンビ
ヨシアキさんとケンジくんのMCが聴けたり
ブランクを感じさせない
ルーズの演奏も素晴らしかったです。
投稿: meru | 2010/03/29 12:57