翼をなくした鳥にはなりたくない
昨日、東京国際アニメフェアで開催されたシンポジウム「劇場アニメビジネス 2010年の新たな潮流」を取材して来ました。
『スカイ・クロラ』でお世話になったプロダクションI.Gの石井朋彦プロデューサーが出演されるというので、最前列に。
会場に姿を現し、自分の姿を見つけるなり、驚いた顔で、
「えっ、何でここにいるんですか?」
「取材ですよ」
「またまた」
「本当に取材なんですよ。ほら。」
とカメラとICレコーダーを見せて、ようやくご理解をいただくことが出来ました。
『東のエデン』でのビジネスの事例と国内のアニメ映画を取り巻く環境など、貴重な話をたくさん聴けて有意義だっただけでなく、現場の最前線と自分の感覚がズレてなかったことに安心しました。
何より石井さんの、
「世の中がデジタル化した分、お客さんの志向はアナログ化している。音楽もライブは伸びているし、海外のアーティストもCDよりもライブに軸足が移っている。映画も同じように進むのではないか。」
という考えは、まさしく自分の考えと一致するものですし、
「今回上手くいったからといって、次でも同じことをやるつもりはないです。
前と同じことをして失敗するよりも、新しいことにチャレンジして失敗した方がいいじゃないですか。」
とのマインドも同じです。
「また一緒に仕事をしたい!」
と思い、シンポジウム終了後、石井さんに、
「ぜひ、次回作でご一緒しましょう!
『スカイ・クロラ』、『アサルトガールズ』以上のアイディアを出せる自信がありますから!」
と全力でアピールして来ました。
(ここでは書けませんが)ありがたい言葉もいただき、やる気がMAXになったのですが、我が身の行く末を考えると、少々不安要素があります。
次回作までちょっと時間があるので、その時までに何とかすればいいでしょう。
環境も変わるでしょうし、考えれば、方法はいくらでも出て来るでしょう。
これをやることなくして、自分はありません。
監督、プロデューサーの意向を汲んで、その思想をより正しく、強く伝えるために貢献出来る者は、自分に代わって出来る人は社内にいません。
以前、押井監督も、
「監督がうるさいからやるんじゃなくて、自分からいいものを作るために全力を尽くすのがスタッフなんだ。
僕は、そういう人たちと仕事をしてきたし、そういう人たち以外と仕事をするつもりはない」
とおっしゃっていました。
モノ作りの世界は、理屈だけでなく、ハートで仕事が出来ないと務まりません。
人生の貴重な時間と労力を使うなら、同じ志の人たちと全力を出し切るまでやりたいものです。
翼をなくした鳥にはなりたくない
今はかごに閉じ込められたとしても
いつか必ず高い空に羽ばたいてみせる
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