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2010/05/04

とにかくCDが売れない!行き詰まる音楽業界のビジネスモデル

とにかくCDが売れていないらしい。
先日、このような記事を見つけました。

■音楽不況ここに極まる......あゆ、テルマ、大塚――人気者のCDがまったく売れない!

エイベックスの経営を支える柱のひとつでもあるアーティスト 大塚愛
フジテレビのバンクーバー冬季五輪アサヒの缶チューハイ「Slat(すらっと)」のタイアップで大量露出をした両A面シングル『ゾッ婚ディション/LUCKY☆STAR』が、ワースト記録の1万4,000枚

ゾッ婚ディション / LUCKY☆STAR(DVD付)
(大塚愛の両A面シングル『ゾッ婚ディション/LUCKY☆STAR』)

『そばにいるね』がヒットしたユニバーサル所属の青山テルマもその後ヒットが出なくて、最新シングル『帰る場所』も、映画ドラえもんの最新作『ドラえもん のび太の人魚大海戦』でタイアップがあったにも関わらず、初動1,000枚オリコン初登場63位だったそうです。

帰る場所
(青山テルマのシングル『帰る場所』。すごく楽しそうに歌うので、個人的には好きなのですが。)

映画ストーリー ドラえもん のび太の人魚大海戦 (てんとう虫コミックス)
(『ドラえもん のび太の人魚大海戦』の原作本。読んだことないな…)

最新のオリコンの週間シングル販売数データを見ても、

  1位 『魔法の料理 ~君から君へ~』(4/21 BUMP OF CHICKEN) 104,492枚
魔法の料理 ~君から君へ~

50位 『おしろい花』(2/3  五木ひろし)                                           1,750枚
おしろい花

100位 『瞳のスクリーン』(2/24 Hey!Say!JUMP)                                729枚

瞳のスクリーン

という感じです。

これを見ると、1位になるには、オリコンの集計対象店で10万枚以上売れないといけませんが、2,000枚売れれば、50位以内、1,000枚売れれば、100位以内に入れそうです。

実は、シングルのチャートインに必要な枚数が少ないのには、売れない他にも訳があります。
アーティストの労力とレコーディング費用を除けば、シングルもアルバムも製造コストはほとんど変わりません。

消費者も1,000円で2曲しか入っていないシングルよりも、3,000円で10曲入っているアルバムを買うので、レーベルとしては、シングルは、元々コストパフォーマンスの悪いもので、アーティストのプロモーション的な性格のものでした。

不景気になって、お金にシビアになった結果、レーベルはシングルを出さなくなり、消費者はシングルを買わなくなったこともあって、このような数字の戦いになったのでしょうが、シングル全盛期を知る身には、信じられない数字です。

タイアップした商品や作品と曲が合致していれば、話は違うのでしょうが、メジャーレーベルが、大型タイアップを取って、力業で大量露出をしても売れない時代になってしまったようです。

昔もこのような例はあったのでしょうが、ごく限られた業界内の話で表に出ることはなかったのかも知れません。

しかし、このような形で一般の人にも知れ渡ってしまうと、仕掛ける側が、どんなに「売れてる感」を演出しても、もはや消費者を騙すことも出来ません。

CDシングルに置き換わる流通として期待されていた音楽配信にも陰りが出ているようです。
日本レコード協会が、今年2月に発表した2009年度 有料音楽配信売上実績は、4,682億2,300万円
前年比98%と、初めて前年割れを記録。

内訳は、携帯ダウンロードが、792億5,000万円(前年比 99%)。インターネットダウンロード(パソコン)が、102億900万円(前年比 113%)。数字の大きい携帯の減少が、全体に影響を及ぼした感じです。わずか1%減とはいえ、これまで2008年は前年比117%、2007年同141%、2006年同149%と右肩上がりの2桁成長でしたから、業界としては由々しき事態です。

iPhoneやアンドロイド携帯といったスマートフォンが増えていくと、携帯ダウンロードの市場は、ますます沈んでいくはずです。

では、今後、音楽ビジネスが、どうあるべきなのでしょうか?
自分は、前から「モノではなく経験を売る」と主張をして来ました。
だから、ライブやイベント(合わせて、その場でしか買えない限定グッズなど)といった「その場に行かないと得られない経験や(クリス・アンダーソンの『FREE』でいうところの)希少性を売る」ような形で進むべきだと考えます。

よく出て来る話で申し訳ございませんが、マドンナの例があります。
マドンナが、ワーナー・ミュージックと25年間の契約を終え、コンサートプロモーション会社ライブネイション(Live Nation)社10 年間で1億2,000万ドル(約114億円)の契約を締結したのが、2007年10月。

ハード・キャンディー
(移籍後にリリースしたアルバム)

当時、大物アーティストの前例のない(かつ巨額の)契約形態で話題になりましたが、CD販売からライブ中心に軸足を移したことが大成功。
翌2008年の収入は2億4,000万ドル(約228億円)になったといいます。

CDのプロモーションのためのライブではなく、ライブのプロモーションのためにCDを売る。

日本でもそういう形になっていくのではないでしょうか?

こう考えると、地道にライブでファンを開拓している『せきずい』のようなアーティストやインディーズレーベルには、戦いやすい時代になったのではないかと思うのです。
ダイキサウンドのようなインディーズレーベルを扱う会社やネット通販の発達で物流も整備されました。
そして、音楽ビジネスを取り巻く環境は厳しいものの、昔のような物量作戦や大型タイアップが通用しなくなりつつあるのですから、メジャーレーベルに勝てる可能性はかなり上がったのではないでしょうか?

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コメント

売れないとはよく聞いたりはしていましたが…
改めて数字で見ると
何だか怖いですね(>_<。)

私の中で『CD=名刺』
そんな感覚です

『僕ら、こんな歌を歌っています!』
だから
『これから先、よろしくね!』
そんな感じです

でも、CDばかりにこだわる必要はないんですよね
音楽を届けるための形って
他にいっぱいあるって
私自身、そう思ってます

投稿: まめ | 2010/05/06 13:53

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