もはや戦争!?日本の年間自殺者数は、太平洋戦争での米軍戦死者以上!
不景気を反映してか、暗いニュースばかりが目につきます。
自殺者に至っては、12年連続で3万人を超えたといいます。
3万人×12年=36万人
少なくとも、これだけの人が日本からいなくなったということになります。
ものすごい数だと思いますが、数字だけで見ると感覚的にピンと来ません。
どれくらいの数なのか、比較の対象を用意してみました。
奈良市の人口 368,399人(2010年5月 奈良市役所HPより)
イタリアのフィレンツェ市の人口 366,488人(2006年02月 Wikipediaより)
スイスのチューリッヒ州の人口 376,815人(2007年12月 Wikipediaより)
これらの街の人々が全員いなくなったということになります。
昨年の3万2753人というのもすごい数で、ヨーロッパの有名な観光地である、
モナコ公国 33,000人(2007年 国連統計部)
とほぼ同じです。
つまり、毎年モナコ公国1ヶ国分の人の命が自殺で消えているのです。
実は、この数字、第二次世界大戦中、太平洋戦線で戦ったアメリカ軍の戦死者数よりも多いのです。
アメリカ軍は、ヨーロッパ戦線でドイツ・イタリアの枢軸国軍と、太平洋戦線で日本軍と戦いました。
我々が太平洋戦争(=大東亜戦争)と呼んでいる戦争で、アメリカ軍の戦死者数は、次の通り。
太平洋戦線戦死者 9万2540人
(『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』 加藤陽子著 朝日出版社 P.31)
日本軍の戦死者が約230万と言いますから、かなり差があるのに驚きました。
これだけの差があると、負けたのも無理はありません。
しかも、その多くが1944年から終戦までの戦争末期に集中していることからも
、ムチャな戦い方が伺えます。
話を元に戻しましょう。
太平洋戦争は、1941年12月~1945年8月までの3年9ヶ月(=45ヶ月)。
年平均でアメリカ軍は、2万4677人の戦死者を出したことになります。
太平洋戦争で日本軍と戦っていたアメリカ軍以上の命が、わが国では自殺で毎年失われているのです。
戦争と同じくらいの規模の死者が出ているというのに、マスコミは毎年恒例のように初詣の参拝者数を発表するような感じで報道し、政府もまた無策としか言いようがありません。
そして、自分自身もいつの間にか「統計数字」にしか感じられなくなっていることに気付きました。
自らを反省する意味と改めて警鐘を鳴らす意味で、この記事を書いてみました。
太平洋戦争で、これだけの犠牲を払ったアメリカは、原因となった日本に対して非武装政策を押しつけ、各地に軍隊を駐留させて準占領下に置き続けるなど、同じことが起きないように国家戦略として、日本を従属下に置いて来ました。
その程度たるやアメリカという国家が負ったトラウマなのか過剰とも思えるほどです。
自国民の犠牲というのは、国家にとって、これくらい重いものです。
それ以上の犠牲者が出ているのですから、政府の偉い方々には、もっと自殺問題に真摯に向き合って欲しいものです。
2万5000人の兵を玉砕させ、サイパン島を陥落させた東条英機は、内閣退陣に追い込まれましたが、それ以上の犠牲者(数で言えば、毎年ガダルカナル[戦死者約1万人]+硫黄島[同約2万人]が玉砕しているようなものです)を出しても政権が交代したなどということを聞いたことがありません。
人の死を「当たり前」にしてはいけない。
「統計数字」にしてはいけない。
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本にするにはテーマが難しすぎる
死すら選べない今の日本人は本当に幸せか?
自死という泣き寝入りの前に
出口の無いトンネル
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コメント
何まだ太平洋戦争なんて言ってるの?。そんなのないよ?あったのは大東亜戦争だ。あれは侵略戦争ではない。自衛とアジア開放のための聖戦だよ?
投稿: | 2010/12/05 22:08