航空自衛隊が次期戦闘機で守るものは?
大幅に遅れている次期戦闘機(FX)の候補が、F35、FA18E/F、タイフーンの3機種に絞られたそうです。
(「老兵」航空自衛隊の支援戦闘機F-4EJ改。これの後継機が今回の対象です。)
正直、「まだ決めていないのかよ!」と言いたいところです。
航空自衛隊が「世界一最も高価な最強の戦闘機」F22が諦めきれずに最後まで交渉していたのはわかりますが、政府、防衛省をはじめとして、国防の本義を忘れてはいないかと心配になります。
新機種決定から配備までは、あと数年。
開発が難航しているF35など、場合によっては、10年近くかかるかも知れません。
素人目に見てもわかる現行のF4の老朽化と周辺国の軍事力増強ペースを見ると、配備完了までの相対的自衛力低下は避けられません。
政府にしても、海外派兵や有事法案への熱意に比べると、国土と国民の防衛という本来の意味での国防については、あまり考えていないのではないかと考えてしまいます。
こういうのを見てしまうと、国から「愛国心」云々といわれても、うさんくさく思えて仕方がありません。
旧軍は、戦争中でも陸軍、海軍といった組織の利益と論理を優先し、敗戦で国家を滅ぼしてしまいました。
今回のFX選定の過程を見ると、当時と同じものを感じてしまうのです。
航空自衛隊が、新しい戦闘機で守るのは、国土や国民ではなく、航空自衛隊という組織ではないのかと。
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
posted with amazlet at 10.06.27
戸部 良一 寺本 義也 鎌田 伸一 杉之尾 孝生 村井 友秀 野中 郁次郎
中央公論社
売り上げランキング: 693
中央公論社
売り上げランキング: 693
おすすめ度の平均:
歴史的名著戦争の戦歴がわからないと理解しずらい。
ただの組織論以上の内容
戦略に関する宝石のような貴重な文献
いい本だなあ
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント