ソフトバンクの強さと孫正義の精神
先日、日経ビジネスの特集を読んでいたら、記事の中にこんなものを見つけた。
多くの企業で財務部門はブレーキ役となっている。だから仕組みとして目新しさは感じないが、財務部長の後藤芳光は「他企業の財務部門とはかなり違う」という。
アメーバのような自己増殖を続けるソフトバンクが手がける事業の90%以上はインターネット関連ビジネス。創業時点では、将来の収益を予想しづらい ものが多い。そうした事業に、「年間にどれだけのキャッシュフローを生むのか」「3年後の利益はどの程度か」といった通常のアプローチをすれば、大半は事 業化が認められない。「そんなことをしたら、常に成長を続ける企業集団たるソフトバンクは歩みを止めてしまう」(後藤)。
(日経ビジネス 2010年9月27日号「特集 孫 正義の世代交代論」)
社内で一番お堅い部門でさえ、こういう認識を持っているんじゃ、局地戦で勝てても、総力戦では勝てないなと思います。
10年ほど前、韓国の大手オンラインゲーム会社との提携話を進めていた時、担当者が韓国に戻った2週間の間にひっくり返されましたからね。
それまで何ヶ月も積み重ねて来たのが、一瞬にしてパーです。
先方の韓国本社の社長に直接 孫さん(=孫正義ソフトバンク社長)がアプローチして、合弁会社設立の話を付けてしまったとなれば歯が立ちません。
こちらは企業規模は大きくとも、一兵卒の平社員ですからね。
当時は、トップの孫さんとその周辺の一部だけが、すごいからだと思っていましたが、こういう記事を見てしまうと、孫正義の精神といいますか、孫イズムみたいなものがちゃんとソフトバンクグループという大組織に浸透していることがわかります。
これに勝つには、情報収集能力と行動力、そして決断力しかありません。
ベンチャーの雄、ソフトバンクもいまや立派な大企業。
そこが本格的に動く前に一気に仕掛けて攻める機動力があれば、勝てなくはないと思っています。
装甲の薄い駆逐艦が速力と小回りを活かして、一点勝負で大戦艦と戦うみたいな感じですが。
局地戦でもいいから、ゲリラ戦でなく、ちゃんとした正規軍で戦ってみたいものです。
たぶん、それなりに戦ってみせられると思います。
東洋経済新報社
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懐かしくもあり、新しく知ることもあり。
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