「第三のたばこ」は出せないのか?その可能性を考えてみた
今日から10月。
たばこが1箱100円以上値上げされ、軒並み400円台に突入。
わかってはいても、自動販売機にズラリと並ぶ数字を見ると、かなりのインパクトがある。
まるで、牛丼屋の券売機のようである。
不景気が続く中、ここまで高くなると、庶民には手を出しにくい。
ビールのように、より安い発泡酒や大豆やえんどう豆を原料としたさらに安価な「第三のビール」が発売されたように、「第三のたばこ」は出て来ないのだろうか?
こういう環境だったら、出したら売れるのではないか?
JTやフィリップモリスのような専業メーカーは、自らの利益を減らすようなことをしないだろうし、今のビジネスモデルに最適化されている。また、税収を減らす減員となるものを販売して、行政の逆鱗に触れるようなことは出来ないかも知れない。
だったら、イトーヨカドーやジャスコのようなスーパーが、プライベートブランド商品を出したように、「第三のたばこ」を出してもいいような気がする。
しかし、なぜかそういう動きはない。
では、作れるかどうかを検証してみたい。
たばこは、ナス科タバコ属に属する植物である。
同じナス科の植物なら、似たような味になるかも知れない。
ナス科の植物を調べてみると…
ナス、トマト、ジャガイモ、ナス、トウガラシ、ピーマン、パプリカといった野菜がある。
これらの野菜の葉は、収穫した後に廃棄されるものなので、原価は安く押さえられるはずだ。それっぽい味を出すために、香料やフレーバーを加えれば、そこそこ行けるのではなか?
また、ホオズキ、クコ、チョウセンアサガオといったものもある。
漢方薬にも使われるものもあるので、健康に良さそうなものが出来そうだ。
ナス科ではないが、タンポポの葉とか、柿の葉とか意外なものから、イケる味が出せるかも知れない。
にもかかわらず、そのようなものを見たことがない。
せいぜい、咳を静めるたばこみたいな医薬品「ネオシーダー」くらいである。
(この「ネオシーダー」の原料は、ナス科のヤマアジサイらしい。)
もしかしたら、法律が関係しているのかと思い、たばこに関する基本法である「たばこ事業法」を調べてみた。
たばこ事業法
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定め
るところによる。
一 たばこ タバコ属の植物をいう。
二 葉たばこ たばこの葉をいう。
三 製造たばこ 葉たばこを原料の全部又は一部とし、喫煙用、かみ用又はか
ぎ用に供し得る状態に製造されたものをいう。
ナス科のタバコ属に属する植物は使えないということだ。
これは、想定の範囲。
問題なさそうだ。
しかし、条文を読み進めていくと…
第三十八条 製造たばこ代用品は、これを製造たばことみなしてこの法律の規
定を適用する。
2 前項に規定する製造たばこ代用品とは、製造たばこ以外の物であつて、喫
煙用に供されるもの(大麻取締法 (昭和二十三年法律第百二十四号)第一条 に
規定する大麻、麻薬及び向精神薬取締法 (昭和二十八年法律第十四号)第二条
第一号 に規定する麻薬、あへん法 (昭和二十九年法律第七十一号)第三条第二
号 に規定するあへん並びに薬事法 (昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第
一項 に規定する医薬品及び同条第二項 に規定する医薬部外品を除く。)をいう。
敵もさるものである。
これで、「第三のたばこ」も普通のたばこと同じ制限がかかり、かつ税金がかからない安い「第三のたばこ」を作ることは出来なくなってしまった。
では、税額を調べてみると、ちょっと可能性がありそうなことがわかった。
現在、国内で販売されている通常のたばこの場合、国たばこ税、道府県たばこ税、市町村たばこ税、たばこ特別税(国鉄の債務を払うための税です)の合計が1,000本当たり8,744円といいます。
しかし、「旧三級品」という、製造たばこ定価法 第1条で「中質及び下質の葉たばこを主原料に用いて調製したもの」として分類された銘柄については、減免税率が採用されていて、半額以下の4,150円となっている。
こちらのデータを使って、計算してみた。
国内の紙巻きたばこが、1箱(20本入)410円。
税額は265.38円(たばこ税244.88円、消費税20.5円)となる。
「第三のたばこ」が「旧三級品」と同じ扱いになれば、120円くらいは節税出来るし、材料費も今まで捨てられていた葉などの有効利用で下げられるので、ゴールデンバットの200円を下回る1箱150円~180円程度で作れるのではないか?(この辺は感覚で言ってます。)
マーケティングの世界では、20%安くなると消費者の行動を変えられるというそうだから、「第三のたばこ」には、十分勝算はありそうだ。
それなのに、どこも出さないのは、やはり味の問題なのだろうか?
詳しい理由を知っている方がいたら、ぜひ教えていただきたい。
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