録画機器のCM飛ばし機能は看過できない!民放連、家電メーカーに厳しい姿勢に
最近、こんなニュースを見つけました。
日本民間放送連盟(民放連)の広瀬道貞会長は19日の定例記者会見で、電機各社が テレビCMを自動的に飛ばす機器を販売していることについて「看過するつもりはない。これからメーカー側と厳しく折衝する」と述べた。メーカー側の対応によっては何らかの対抗策を打ち出す考えも示した。
CMの自動スキップ機能を搭載するテレビやブルーレイ・ディスク(BD)録画再生機を東芝と三菱電機が発売している。民放各局の収入はテレビ広告が大部分を占めており、広瀬会長は「メーカーが同種の機器を発売するのは民放の経営を危うくするので困る」と強調した。
どこかで以前にも見たような既視感ありありの記事だな、と思ったら、このブログでも過去にこんなことを書いてました。
ちょうど6年前の2004年11月にDVDレコーダーのCMカット機能について、民放連は噛みついていました。
当時は、番組とCMは一体なので、それを改変する機能は著作権法違反という摩訶不思議な理論でしたが、それに比べると、ずいぶん素直になったものです。
ただ、あれから6年も経っているのに、その間に民放がCM飛ばしに対する有効な手法を講じた様子はありませんし、対策を考えているという話も聞いたことがありません。
その間も不景気は続き、広告収入が減り、制作コストを押さえたお手軽番組ばかりが量産され、視聴者に飽きられ、テレビ離れが進んだだけです。
6年前のブログにも書きましたが、アメリカや韓国では、CM飛ばしに対する手法を実践していました。功罪ありますが、少なくとも環境の変化に対して、自分たちで考えて、適応して行こうという姿勢は見られます。
そのような意志も努力もなく、家電メーカーに噛みつくだけでは、例えCM飛ばし機能を外させたとしても、結局は消費者に録画を早送りで飛ばされるだけです。
抜本的に考えるなら、基本に立ち返って考えるべきです。
今まで通りCMを見てもらうスキームを維持したいなら、リアルタイムで見てもらう工夫をすることです。すぐに次が見たいと思うような番組を作るとか、ターゲットに合わせた時間帯に放送するとか。ライフスタイルが変わり、消費者のテレビ視聴シーンが変わっているのに、相変わらず十年一日のような編成をしていては、録画機器の利用が増えるだけです。
あとは、プロダクトプレイスメントやリアルタイム双方向コンテンツにするなど、新しい試みを積極的に試すことでしょう。
それらの努力なくして、この環境下で民放の経営が復活することはないと考えます。
変化に対応出来ない組織は、恐竜のように滅びるしかありません。
東洋経済新報社
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