「漁業監視船」という名の武装船
尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件の映像流出騒ぎも収まらないうちに、再び中国の漁業監視船が、日本の領海ギリギリにやって来て、挑発行動を取っています。
さすがに国内の大手マスコミも自社機を飛ばして、この海域で直接取材をしているようです。
そんな中で読売新聞のこんなニュースを発見しました。
尖閣諸島周辺の接続水域内(日本の領海の外側約22キロ)を20日から21日にかけて航行しているのが確認された中国のヘリ搭載型最新鋭漁業監視船「漁政310」の船上には、機銃とみられる装備がシートに覆われているのが見えた。
同船は2500トン級で全長108メートル、最大速力は22ノット。中国当局は今月配備されたばかりの同船を「重点海域」で運用するとしている。
(2010年11月23日07時50分 読売新聞)
「?」ではなく、間違いなく機銃でしょう。
「漁政310」の進水時の装備は、放水銃だったらしいのですが、後に機銃を装備したという情報もあります。
中国のサイト「鳳凰網」に掲載された記事を見ると、他の漁業監視船にもこのような武装が搭載されています。
そして、こんな紹介をされています。
与菲律宾军舰相比,中方渔政船缺少重型武器。图为中国小型渔政船配备的14.5毫米四管高射机枪。
【訳】
フィリピンの軍艦と比較して、中国側の漁業機構の船は大型の武器が少ない。図は中国の小型の漁政船(=漁業機構船、日本国内では「漁業監視船」と表記)の配備する14.5ミリメートル高射機関銃。
ヘリコプター2機を常時搭載可能で、機銃も備えている船なんて、海上保安庁の巡視船でも、そんなにありません。
みずほ型の「みずほ」「やしま」、あとは、海上プルトニウム輸送護衛用に建造された「しきしま」くらいでしょうか?
いずれも5,000トンを超す大型船です。
言い方を変えると、これくらいの船を持って来ないと「漁政310」には対抗出来ないのです。
これは「漁業監視船」という名の武装船です。
そう考えると、尖閣諸島を守るためには、海上保安庁では荷が重過ぎで、海上自衛隊による警戒も必要ではないかと思います。
台湾の李登輝元総統(大統領)が、尖閣諸島を巡る中国の対応について、
「おネエちゃん(=尖閣諸島)がきれい(=資源が豊富)だからといって、私の妻(=自分の領土)だと言う人間(=国)がどこにいるのだ」
と批難したくらいです。
常識が通じない人も世の中にはいることを理解し、「漁業監視船」という名前に騙されることなく、冷静に状況を判断して、備えておくことが必要ではないでしょうか。
飛鳥新社
売り上げランキング: 4013
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント