442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍
昨日、新宿で『442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍』という映画を観て来た。
「442」とは、第二次世界大戦中に日系人で編成されたアメリカ陸軍442連隊のこと。
太平洋戦争開戦と同時に「敵性国民」として、日系人は収容所に送られた。
同じ敵性国民でも、ドイツ系・イタリア系はそのようなことはなく、日系人だけが差別されていたのである。
アメリカは、第二次世界大戦をファシズムから自由と民主主義を守る戦いみたいに言ってますが、所詮そんなもの。
「白人の」自由と民主主義を守る戦いだと言えばわかりやすいか。
差別の中から生まれた日系人部隊が陸軍442連隊なわけだが、彼らは、差別を乗り越え、合衆国民としての名誉のため勇猛に戦い、送られたヨーロッパ戦線でドイツ軍相手に大活躍をする。
ある叙勲を受ける時、部隊の人数があまりにも少なかったので、授与する将軍が「どういうことなんだ?他の連中は、みんな寝てるのか!」と怒ったが、実は、戦死者や戦傷者が多くて、出て来れるのがこれだけだと知り大いに恥じたという話や、アメリカの収容所にいた日系人部隊が強制収容所のユダヤ人を解放したという話など、興味深い内容が盛りだくさん。
映画というよりは、NHKスペシャルを映画館で観たような感じでした。
日系人部隊のエピソードも印象に残りましたが、それ以上に日本人学校に対して、東条英機首相が送ったメッセージに心が動きました。
日本とアメリカという二つの祖国に対して、どちらに対して忠誠を尽くせばいいか悩んでいる日系人に対して、東条首相は、こう言い切ったという。
「あなたたち(=日系人)の祖国はアメリカである。だから、あなたたちが祖国であるアメリカに対して忠誠を尽くし、そのために戦う(=日本を敵として)のは当然である。」
作品に登場する日系人たちも「いくつかの日本人学校で、そのような話を聞いた」と言っていたので、どこか特定の日本人学校にだけ言ったものではないと思う。
軍国主義の権化のように思われている東条から、そのような言葉が出て来るとは正直意外でした。
「日本人の血を引いているなら、日本のために戦うのが当然だ!」
くらい言いそうな気がしていましたから。
しかし、満州にユダヤ人を受け入れた時、ナチスドイツからの抗議を突っぱねたのも東条だったことを考えると、彼ならこういうことを言ってもおかしくない気がします。
今の時代でも、有事にこれだけ冷静に筋を立てて言える人はいないでしょう。
戦後教育ですっかり悪のイメージが付いてしまった東条英機ですが、もっと研究すれば、違う面がたくさん出て来そうです。
だからといって、戦争目的を明確化することなく、開戦に突き進んでしまった政治家としての結果責任を免責するものではありませんが。(「政治家は結果責任」これは自分の持論です。)
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