顧客を逃がさずにどこまでお金を搾り取れるか?
最近、こんな記事を見つけました。
本場のカジノって、こんなことまでやっているんですね。
カジノ経営の米ハラーズは、「顧客を逃がさずにどこまでお金を搾り取れるかについて、実に高度な予測を使っている」という。
スロットマシンなどの使用状況や勝ち負けなどをリアルタイムで監視し、その顧客の年齢や居住地の平均年収といったデータと組み合わせて分析する。
これにより、顧客がお金をすっても楽しんでまた来店するのはいくらまでかを予測し、「この魔法の損失額数値を『痛みポイント』と呼んでいる」という。
このカジノでは、顧客が痛みポイントに近づくと、店のおごりでレストランに案内するといったこともしているそうだ。
いや、さすがは、ギャンブルの世界。
情け容赦ありません。
マーケティングという美しい言葉に包もうが何しようが、本質は、
「いかにカモからむしり取るか?」
この一言に尽きます。
もともとこの記事は、ソーシャルゲームについて書かれたもの。
コンピューター技術の発達で、顧客の行動や商品・サービスの市場価値を統計的に予測することが可能になって来ているから、ソーシャルゲームでも広がって行くだろうという話。
引用した部分は、イアン・エアーズの『その数学が戦略を決める』からのものですが(結果的に孫引きですね)。
■ソーシャルゲームが大流行する「薄気味悪さ」
まぁ、こういう仕組みを入れたからといっても、ゲームそのものがつまんなければ意味ありません。
当たり前ですが。
当たり前なんですが、得てして「かしこい人」は、形(=ビジネスモデルってやつね)だけをマネようとするんですよね。
ゲームは楽しむものという本質がわかってて、「こういうものを作りたい!」とか「驚かせたい!」とか伝わって来ないと。
成功者のテンプレート通りにやって成功するんなら、誰も苦労なんてしやしません。
同じようなビジネスモデルでも上手くいってるところと、そうじゃないところがあるわけですから。
放送局しかり。
コンビニしかり。
航空会社しかりです。
フジテレビとTBSの業務内容と持ってる設備、収益モデルにどれだけ多くの違いがある?
セブンイレブンとサークルKサンクスで売ってるものと、店舗の作り、POSシステムを利用した受発注システムは?
ANAと経営破綻したJALのビジネスモデルの違いは?
ちゃんと「自分のお客さんが誰なのか?」をクリアにして、そのお客さんを「いかに満足させるか?」というのが、基本にないとね。
自分で汗をかいて考えて、他と違うものや喜ばせる演出をしっかりやれているかの差です。(コンビニの場合は、業界下位チェーンの方が差別化のために『キム兄の弁当』みたいなコラボ弁当とか面白いことをやっていたのですが、セブンやローソンといったところが資本力を使ってもっと有名な人やキャラクターを起用しているという厳しさはあります。)
中身もないのに、見た目だけ美しく取り繕って、その実は「家畜を太らせて食べる」みたいな目でしか消費者を見ていないとこが多過ぎるよ。
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