福島原発事故と「忌野清志郎の予言」
福島第一原子力発電所事故のニュースを見るたびに、忌野清志郎のある曲を思い出します。
それは、20年以上前に忌野清志郎が『タイマーズ』としてリリースしたアルバム『カバーズ』に収録された『Love Me Tender』と『SUMMER TIME BLUES』。
これらは、元々『RCサクセション』が出す予定だったのが、反核・反原発を強烈に打ち出した歌詞が問題になったため、当時の東芝EMIの意向で発売中止に。(当時は、原発を扱っている親会社の東芝に配慮したせいだと言われていました。)
そこで、前所属レーベルのキティレコードからリリースされたという曰く付きの曲。(『カバーズ』には、三浦友和、泉谷しげる、桑田佳祐[「桑竹居助」の偽名で参加]、坂本冬美、高井麻巳子[元おニャン子クラブ。現 秋元康夫人&秋元康事務所監査役]といった方々がゲスト参加しています。)
今、改めて聴くと、見事なくらい清志郎が歌った通りの様相になっています。
まるで「忌野清志郎の予言」のようです。
SUMMER TIME BLUES
寒い冬がそこまで来てる
あんたもこのごろ抜け毛が多い
それでもテレビは言っている
「日本の原発は安全です」
さっぱりわかんねえ、根拠がねえ
これが最後のサマータイム・ブルース
放射能はいらねえ 牛乳を飲みてぇ
何やってんだー 税金(かね)かえせ
目を覚ましな
たくみな言葉で一般庶民を
だまそうとしても
ほんの少しバレてる その黒い腹
清志郎が生きていて、今の状況を見たら、どう思ったでしょう?
どんな曲を書いたでしょう?
間違いないのは、彼は被災した人たちのために行動を起こしていたでしょう。
音楽に愛情にあふれたとんがった言葉を添えて。
泉谷しげるさんといっしょになってやっていたかも知れない。
そんなことをひとり考えながら、今日の午後は彼の曲を聴いていました。
当時、37基だった原発も稼働中が54基、建設中が3基、計画中が10基。(出典:社団法人 日本原子力産業協会 日本の原子力発電所に関するデータ集)
確実にリスクが増しています。
しかし、発電量に占める原発への依存度も大きくなっている中で、清志郎が『SUMMER TIME BLUES』で歌ったように、
原子力は要らねえ、
危ねえ、欲しくない
と言い切ってしまえるか、難しいところです。
それには、今の便利さを捨ててでも安全を求める勇気が全ての日本人に必要です。
無事だった地域においても「復興のためにも、どんどん消費しなければ」と言うだけでなく、このまま原発に依存し、電力消費を続ける社会がいいのかを考えつつ、次に向けて考えるべきではないかと自分は考えます。
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コメント
忌野清志郎さんが生きていたら、きっと何か活動をしているんでしょうね。
僕は清志郎さんのライブに行った事はありませんが『上を向いて歩こう』という曲が気に入っています。
その昔、鴻上尚史さんのラジオ番組でメッセージを読まれた後に、流れた曲がこの曲だったんです。
もちろん、この曲と言えば坂本九さんですけどね。
投稿: おかやす | 2011/03/22 17:48
>おかやすさん
どうもお久しぶりです!
やはり元ハガキ職人だったんですね?(笑)
きっと何かやっていると思います。
清志郎さんは、いろいろカバーを歌ってますが、どれも彼らしいいい味を出してますよね。オリジナルとは違う世界を見せてくれます。
投稿: cyro | 2011/03/23 00:07