震災から1ヶ月
あの地震から1ヶ月。
いろいろあったので、ずいぶん長い時間が経ったかのように感じていましたが、まだ1ヶ月しか経ってません。
世の中が日常に戻りつつあるせいなのか、地震当日からショッキングな映像を見せつけられて、感覚が麻痺しているのかわかりませんが、どこか「他人事」になり始めているような空気を感じます。
1万3000人以上の命が失われました。
まだ行方がわからない人は、それよりもっとたくさんいます。
そのひとりひとりにそれぞれの人生があって、家族や友人があります。
当たり前の話ですが。
でも、数が多過ぎて、単なる統計数字のように感じているんじゃないかと思ったりもします。
四十九日の法要も済んでいない、遺体も見つかっていない。
住む所もないし、この先、どうやって生きて行こうかも考えられない、そういう遺族を前に、
「気を取り直して明るく行きましょうよ。」
とは言えませんし、気分を明るくするためだからと、にぎやかに盛り上げる気にもなれません。
自分が知っている人がそういう状況だったら、そう思うのが自然だと思います。
それなのに震災の数日後には、
「復興のためには、金がいる。経済を回すためには消費しろ。」
と言い出す「専門家」がいて、同調する輩がいる。
経済学的には「正しい」のでしょうが、あまりにも他人事過ぎるように思えます。
自分が被災者だったり、親しい人を亡くしていても、同じことが言えるならいいです。
それでも、「さよなら」も言えずに突然の別れをしなければならなかった人たちへの配慮があっていいのではないでしょうか?
1ヶ月経っても、被災した福島第一原子力発電所は、相変わらず放射性物質を垂れ流し、危機は去っていません。あのチェルノブイリだって、10日ほどで放射性物質の放出は止まっています。
それなのに、人々はもはやそんなことさえ忘れたかのようです。
民放のテレビを見ると、震災前と同じようにバカ騒ぎをしています。
そういうのを見ると、人々は全てを受け入れて最後の日を待っているのかとさえ思ってしまいます。
悲観主義者の自分は、他人事のような話に付き合うのに、最近は疲れてしまいました。
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コメント
私もそう思います。
投稿: meru | 2011/04/17 17:25