ビクターが「斉藤和義」の『ずっとウソだった』を消しまくった理由は?
斉藤和義の「そっくりさん」が歌う『ずっと好きだった』の替え歌『ずっとウソだった』がYoutubeにアップされた。
『タイマーズ』をやっていた頃の忌野清志郎を彷彿させるようなカバー曲です。
ネットで話題になりかけたところで、所属レーベルのビクターからの著作権侵害の申し出で配信停止、削除の流れに。
一度、流れたものは止められないのがネットの特性。
Youtubeからニコニコ動画に転載され、Youtubeにも次々にコピーがアップされて行きます。(今でも、ここでは見られます。)
通常は、アップに削除が追いつかず、誰でも見られる状態になるのですが、今回はちょっと違いました。
親の仇討ちのようにビクターが、ものすごい勢いで削除しまくっています。
ここまで徹底していると感心してしまいます。
ビクターが、どういう経緯を経てこの判断をしたのかわかりませんが、自分は大きなミスだと考えます。
権利者としては、「正しい」のかも知れません。
しかし、斎藤和義というミュージシャンが自分の気持ちの発露として表現したものに対して、執拗に削除を行なった姿は、彼のファンや音楽を愛する人たちにどう映ったでしょうか?
音楽、芸術の最も基本的で大切な部分、根源的なところにおいて、ビクターは侵してはいけないところを踏みにじってしまったと思います。
長い目で見て、ビクターはレーベルとして、音楽を愛する人たち、そしてミュージシャンたちの信用を大きく損ねてしまったのは間違いないでしょう。
さて、では、なぜここまでビクターは、「斉藤和義」の動画を執拗に消しまくったのでしょうか?
「そっくりさん」だけが消され、なぜか斉藤和義本人の動画は削除されずにそのまま残っています。実に不思議です。
親会社のビクターは、家電をはじめとする電気機器メーカー。
2007年にパナソニックの子会社から離れ、今はケンウッドと統合し、JVC・ケンウッド・ホールディングスの一翼を担っています。
東京電力など、電力会社の逆鱗に触れ、工場の稼働に必要な電気を供給してもらえなくなることを恐れたのかも知れません。
自社の他のアーティストのタイアップなどの商売に影響が出ると思ったのでしょうか。
発電所関係向けにケンウッドは多くの無線機などを納めている可能性もあります。
それ以外にこのようなものも見つけました。
■東京電力 柏崎刈羽原子力発電所 音声ガイダンスシステム納入事例(ビクター)
■福島県大熊町 学校緊急通信放送システムの導入事例(山形ケンウッド)
→大熊町は、東京電力福島第一原子力発電所がある町。
実は、グループ会社が手がけている電力会社や原発の補助金が交付されている自治体向けの大きなビジネスに影響があるというのが、ビクターが神経質になっている理由だと自分は推測しています。
いずれにしても、結果としては良い結果にはならないでしょう。
むしろ最悪に近いものになると予想しています。
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