『JIN-仁-』 ~ あまりにもスポンサーを押し出し過ぎではないか?
『JIN-仁-』 最終回を見終わりました。
放送前から原作を読んでいただけに期待度は、高かったのですが、高視聴率を受けて、第一部の後半辺りから原作を大きく逸脱し始めたのが、非常に気になっていました。
原作で描かれていたテーマとドラマとでは、かなり違っていて、違和感がありましたが、それもテレビの楽しみ方のひとつと思って見ていました。(第二部からは、演出過剰や狙いすぎだったり、原作が丁寧に描いていた部分を大幅に端折ったり、カットされたり、最後は全く別の話になってしまっていましたが。)
ただ、あまりにもひどいのは、スポンサーに媚びたとしか思えない原作の改変。
第一部で南方仁がペニシリンを作るスポンサーとして、ヤマサ醤油の当主 七代目浜口儀兵衛が登場し、その影響でヤマサのHPにアクセスが集中しが落ちた。
そのニュースを知って、番組関係者、あるいはスポンサー(広告代理店?)が、「これは宣伝になる」と思ったのでしょう。
(ちなみにヤマサは原作に登場するが、番組スポンサーではない。ある意味一番おいしい。)
無尽灯ともに、東芝創業者 田中久重が登場する。確かに原作にも出て来るが、原作とは違った形で目立つように扱われている。
仁の現代での恋人 未来と写った写真には、サントリーのビールがしっかりと出て来る。
ここまでは、何とか目をつぶろう。
ストーリーの大筋には影響がないから。
しかし、坂本龍馬の「船中八策」が、「船中九策」になっていて、九策目が保険とは、どういうことだ?
どう考えてもスポンサーの日本生命を意識してとしか思えない。
やたらと龍馬に「保険、保険」と語らせ、挙げ句は、死ぬ間際にも保険の話をさせていたり。
最終回にもちゃっかり保険の効能をアピールさせたりと目障りで仕方がない。
イメージアップを狙ってなのだろうが、スポンサーの商品を登場させるために、ストーリーをいじったり、本質とは関係ない部分で時間をかけたりするのは、逆効果でしかない。
こういう演出をしようとしたのが、スポンサーの意向なのか、広告代理店なのか、TBSなのかはわからない。
少なくとも、自分は、これらのスポンサーの商品とTBSに対しては、ネガティブなイメージしか持てない。
最近、番組の質が落ちているTBSが、久しぶりにちゃんとしたドラマを作っているなと思っていただけに非常に残念です。
高視聴率に変な色気を出して、短期的な利益を追ったのでしょうが、あまりにも稚拙過ぎて、残念な演出になってしまいました。
TBSには、もっと真っ正面から番組作りに向き合ってほしいものです。
しっかり作れる能力はあるのに、自らダメにしてしまっています。
そのうち、本当に番組が作れなくなってしまうのではないかと心配です。
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コメント
この時代に誇りを持つことは、日本に誇りを持つことだと思えました。
日本が好きです。
この仁は、日本が好きだと思えるドラマだった。だからヒットしたのだと思います。
投稿: | 2013/11/21 01:08
いくらなんでも保険の話はむちゃくちゃだろ。こじつけすぎ
投稿: | 2013/12/27 15:07