韓流アーティストの活躍から過去の仕事を振り返る
6年前の夏に、プロデューサーとして、韓流サイトを立ち上げました。
今の会社に転職して、最初の大きな仕事です。
『冬ソナ』ブームが一段落した後だったから、後発もいいところ。
「韓流ブームは1年もすれば終わる」と言われていた時期である。
上からの指示でしたが、ブームに便乗した安易な作りにはしたくありませんでした。
そこで、韓国最大のスポーツ紙と組んで、韓流四天王や一部のビッグネームに頼らない現地の芸能情報を流すことにしました。
契約書も自分で翻訳しただけでなく、毎日送られてくるニュースの翻訳チェックもやった(泣きそうでしたが)し、取材もやりました。(ペ・ヨンジュンは2回、チェ・ジウはその後の海外ドラマサイトの取材も含めて3回。チョン・ウソンは、直接インタビューを含めて2回、ハ・ジウォン、カン・ドンウォン、パク・ソルミ、などなど)
当時は、ヨン様やチャン・ドンゴンといった有名どころしか全く引きはありませんでした。
でも、事前に韓国の衛星放送を契約し、ドラマや音楽番組を見て、ファンミーティングやライブがあれば、自分で足を運び、自分の目で韓流ファンの反応を観察して、韓流はブームではない次のステップに進みつつあることを確認しました。
韓国の歌手のライブも何本か見て、ドラマの後には、音楽も来るのではないかと思っていました。
このブログでも、こんな記事を書いています。
事実、日本の韓流ブームを受けて、何人もの韓国人アーティストやタレントが日本進出を計画していた。韓国で名が売れている人たちが、日本のワンルームで日本語学校に通いながら、チャンスを伺っていました。
しかしながら、韓国ドラマは人気でも、音楽というと全く知名度がありませんでした。
「韓国ドラマの次は、中国ドラマや台湾ドラマだ」という安易な風潮があり、韓国の芸能文化を掘り下げて、何が受けたのか、その本質を研究する人はあまりいませんでした。
そういうのもあって、日本進出をもくろんでいたアーティストたちも相当苦戦していたようです。
だから、自分は、
「テレビや雑誌などの既存メディアが彼らを採り上げないなら、新しいネットメディアで採り上げて、そこから育ててブレイクさせればいい。
『新しい革袋には新しい酒、新しいメディアには、新しいコンテンツ』だ。」
と芸能プロダクションっぽいことにも手を染めようと考えていました。
「ネットの会社がなんで?」
と言われても、
「それが必要であれば、やればいいじゃない。自ら可能性を狭める必要はない。
新しいメディアなら、なおさらだ。」
というのが自分の基本。
この考えを話すと、パートナーのスポーツ紙も乗り気で、韓国のある放送局を通じて、可能性を探ってくれました。
何人か候補がいたが、その中には、かなり名のあるアーティストもいました。
(候補のアーティストの中の一人。今は韓国のバラエティーで大活躍してます。)
野望は、真夏の入道雲のようにどこまでも膨らんだのですが、残念ながら、結果が出ず、1年で自分が目指した路線は終りを迎えました。
同業他社の担当からも、
「一部のビッグネームしか売れませんよ。知名度のない俳優とか音楽みたいなニッチコアなのを何でやってるんですか?」
と言われていたくらいですから仕方がなかったのかも知れません。
あれから、時は流れ…
今、大勢の韓国出身アーティストが活躍しているのを見るにつけ、
「続けていれば…」
と思ってしまいます。
(そのためには、会社は相当我慢しなければならなかったはずですが…)
誰もが評価するようになってから、手を出すのは簡単です。
でも、それだとお金もかかるし、ビジネスだけの付き合いでおもしろくありません。
自分で他にはない次世代の芽を探し出して、評価してくれる人が少ない時に、彼ら彼女らを一生懸命応援して、ともに苦しさを乗り越えて、いっしょに成功の喜びを味わう。
これがプロデューサーの醍醐味です。
そして、新しいメディアが既存のメディアに負けない力を持つためには、既存メディアにないものを手に入れる必要があります。
映画やテレビで流れたものを待つのではなく、自分たちのメディア特性に合ったフォーマットを開発して、自分たちが最初に仕掛けるくらいにならないといけないのです。
いきなり、そこに行くのは難しいです。
だから、既存メディアを上手に利用しながら、少しずつその地歩を固め、来るべき時に備える。
これが、今の最善の施策だと思います。
こういった状況を受けて、さて、自分は、この先どうするか?
まだ、あれこれと考えています。
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