ロダン『地獄の門』
上野にある国立西洋美術館の敷地内にある、オーギュスト・ロダンの『地獄の門』。
大きくて、しかも彫刻が細かいので、構成要素のひとつひとつをつぶさに見るためには時間がかかる。
これは、ダンテの『神曲』に出て来る地獄への門。
我を過ぐれば憂ひの都あり、
我を過ぐれば永遠の苦患あり、
我を過ぐれば滅亡の民あり
義は尊きわが造り主を動かし、
聖なる威力、比類なき智慧、
第一の愛、我を造れり
永遠の物のほか物として我よりさきに
造られしはなし、しかしてわれ永遠に立つ、
汝等こゝに入るもの一切の望みを棄てよ
この言葉を頭に入れて見ると、非常に趣深い。
天国への門ではなく、地獄への門。
ロダンという芸術家を惹きつけるものがそこにはあったのだろうか?
でも、よくわかる気がする。
人は時として善なるものより、悪に魅せられるものだ。
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