戦艦大和の主砲を一斉射撃時の反動力は8000トン
これも前に読んだ『戦艦大和の建造』(御田重宝著)という本から。
戦艦大和の主砲である45口径46cm砲9門を同一方向に一斉射撃した場合、8000トンの反動力が艦体にかかるそうです。
砲弾の長さ1.9535m、重さ1.460トン、装填される火薬の重量300kg。
これが発射されると、3300気圧もの圧力が砲にかかり、初速780m/秒(=時速2808km=マッハ2.29)の速度で、最大41.4km(4万1400m)先の標的まで飛んで行きます。
これが9発同時ですから、それもわかる気がします。
同じ方向に一斉に射つようなケースは、滅多にないでしょう。
しかし、実戦で高速で敵の攻撃を蛇行して避けながら撃つことは、普通にあります。
大きく舵を切った時など、相当艦は傾き、不安定な状態になっているはずです。
それでも、これだけ大きな力を受けても転覆しないように作っているというのは、当時の造船技術の高さを物語っています。
また、別の点でも驚きがありました。
45口径46cm砲の重さは1門160トン。
砲塔には、これが3門ありますから、砲の重さだけで480トンです。
装甲などを含めると、旋回部分だけでも、2,760トンの重さがあったといいます。
48個のローラーで、1分半で180度回転させることが出来ました。
この主砲を3門搭載した主砲塔を500馬力の水力原動機(2基搭載、1基は予備で故障や戦闘で破壊された時に使用。)で動かしていました。
500馬力といえば、今ならスポーツカー1台分のエンジン出力です。
(ポルシェ911シリーズのタイプ997というモデルだと500馬力以上あるそうです。)
この程度の出力の原動機で何千トンという重さを動かしていたのですから、この技術にも奥深さとひどく惹かれるものがあります。
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