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2011/07/03

円高って、そんなに悪いこと?

6月は、決算シーズンで、どこも業績不振は、東日本大震災やリーマンショック以来の不況、そして円高などを挙げております。

そういうこともあって、何となく、

「円高って悪いことなんだ」

と思ったりします。

果たして、そうなのでしょうか?

確かに輸出には、大きくマイナスに作用します。
しかし、円高の時に海外旅行に行くと、その恩恵を感じるように、輸入には大きくプラスに働きます。

いろいろ調べてみると、円高がそんなに悪いことばかりではないようです。
例えば、産業の血液ともいえる石油。
こちらでは大きな恩恵を受けていることがわかったのです。

では、そのことについて、少しお話をしましょう。

原油価格は、2009年1月の1バレル39.15ドルを底値に、2011年5月には101.25ドルまで上昇しています。4月には、110.05ドルまで上がりました。

[世] 原油価格(WTI)の推移(月次:2006年1月~2011年5月)

実に原油価格は、2.5倍以上に。

それを緩和していたのが、1ドル80円近い円高だったのです。

確かにガソリン価格も、レギュラーで1リットル145円と上がっていますが、前回のガソリン価格高騰時の2008年6月のレートは1ドル105~108円。

当時と同じレートだったら、どうなっていたでしょうか?

原油価格の上昇であらゆる商品が値上げされ、ガソリン価格の高騰で物流費も上昇、これも価格に転嫁されるでしょう。
震災によるダメージもあって、間違いなく国民生活は大打撃を被っていたはずです。 (実際、韓国では、7月7日からガソリンが、1リットル 2096ウォン(約157円)に値上げされ、2008年7月13日に付けた過去最高値の2027.80ウォン(約152円)を上回ることが予想されています。)

原油だけでなく、他の国際価格もこの1年刊で大きく値上がりしています。
主要な穀物である小麦で1.7倍とうもろこしで2.3倍になっているのです。

そう考えると、円高も決して悪いことではないと思います。

輸出で外貨を稼ぐのが日本の基本ですから、不利な状況はあるのは間違いありませんが、こんな時でも稼いでいる企業はちゃんと稼いでいます。
それを対外要因を自社の業績不振の言い訳にするのは、経営者の無能でしかないのは言うまでもありません。

ちょっと、話が脱線しました。

ただ、今のレートは、ある意味、日本経済の実体を反映していない数字とも言えます。 この恩恵があるうちに、早めに本格的な復興と経済対策を講じて欲しいものです。

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