円高って、そんなに悪いこと?
6月は、決算シーズンで、どこも業績不振は、東日本大震災やリーマンショック以来の不況、そして円高などを挙げております。
そういうこともあって、何となく、
「円高って悪いことなんだ」
と思ったりします。
果たして、そうなのでしょうか?
確かに輸出には、大きくマイナスに作用します。
しかし、円高の時に海外旅行に行くと、その恩恵を感じるように、輸入には大きくプラスに働きます。
いろいろ調べてみると、円高がそんなに悪いことばかりではないようです。
例えば、産業の血液ともいえる石油。
こちらでは大きな恩恵を受けていることがわかったのです。
では、そのことについて、少しお話をしましょう。
原油価格は、2009年1月の1バレル39.15ドルを底値に、2011年5月には101.25ドルまで上昇しています。4月には、110.05ドルまで上がりました。
実に原油価格は、2.5倍以上に。
それを緩和していたのが、1ドル80円近い円高だったのです。
確かにガソリン価格も、レギュラーで1リットル145円と上がっていますが、前回のガソリン価格高騰時の2008年6月のレートは1ドル105~108円。
当時と同じレートだったら、どうなっていたでしょうか?
原油価格の上昇であらゆる商品が値上げされ、ガソリン価格の高騰で物流費も上昇、これも価格に転嫁されるでしょう。
震災によるダメージもあって、間違いなく国民生活は大打撃を被っていたはずです。
(実際、韓国では、7月7日からガソリンが、1リットル 2096ウォン(約157円)に値上げされ、2008年7月13日に付けた過去最高値の2027.80ウォン(約152円)を上回ることが予想されています。)
原油だけでなく、他の国際価格もこの1年刊で大きく値上がりしています。
主要な穀物である小麦で1.7倍、とうもろこしで2.3倍になっているのです。
そう考えると、円高も決して悪いことではないと思います。
輸出で外貨を稼ぐのが日本の基本ですから、不利な状況はあるのは間違いありませんが、こんな時でも稼いでいる企業はちゃんと稼いでいます。
それを対外要因を自社の業績不振の言い訳にするのは、経営者の無能でしかないのは言うまでもありません。
ちょっと、話が脱線しました。
ただ、今のレートは、ある意味、日本経済の実体を反映していない数字とも言えます。 この恩恵があるうちに、早めに本格的な復興と経済対策を講じて欲しいものです。
翔泳社
売り上げランキング: 90405
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント