暫定基準値の継続は不作為の罪ならずや
赤ちゃん用の粉ミルクから放射性セシウムが検出されたというニュースが。
いつかは来るのではないかと思っていましたが、ついに出てしまったという感じです。
乳児を抱えるご家庭には厳しいニュースです。
食品大手の明治(東京)が製造、販売する粉ミルク「明治ステップ」から、最大で1キログラム当たり30・8ベクレルの放射性セシウムが検出されたことが6日、同社の調査で分かった。詳しい混入経緯は不明だが、同社は東京電力福島第1原発事故に伴うものとみている。
厚生労働省によると、原発事故後に粉ミルクからセシウムが検出されたのは初めて。明治は約40万缶を対象に、無償交換する方針。
国が定める粉ミルクの暫定基準値(1キログラム当たり200ベクレル)は下回っている。厚労省は近く新たに「乳児用食品」の基準値を設定する方針を決めている。
明治が自主的に調査したのなら、立派なものだと思っていましたが、福島県二本松市のNPO「TEAM二本松」が調査した結果をもとに、共同通信の記者が動いたから動いたようです。(詳細は「TEAM二本松」の発表を参照。)
さらに記事によると、「厚労省は近く新たに「乳児用食品」の基準値を設定する方針を決めている」とある。
もう事故から9ヶ月余。
いつまで暫定基準値を続けるつもりなのか?
これまで何をしてたんだ!
そもそも、その暫定基準値だって、安全である保証もない。
規制を強化すれば、東電や国の補償額も膨らむ。
農業をはじめ、各業界にもダメージを与える。
それらに対する「配慮」があるのかも知れない。
しかし、考えてほしい。
赤ちゃんや子供は、最も弱い存在であり、動物ですら、幼い命が危機にあれば、身を犠牲にしても守る。
放射性物質の影響も大人以上に強く受けると言われている。
だったら「可能な限り最善を尽くし、守ってあげたい」と必死に取り組むのが人として自然であると思わないか?
それにもかかわらず、何もせずに暫定基準値という危険を放置し続ける国の罪は重い。
いや、それを認容している自分を含めた大人も同罪である。
これは後の世代に我々が不作為の罪を問われても仕方がない。
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