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2012/02/11

コンビニ型百貨店は成功するのか?

伊勢丹三越ホールディングスがコンビニ型百貨店を展開するらしい。

■三越伊勢丹が新型店舗“百貨店コンビニ”高齢化・利便性対応

イオンのコンビニ型スーパー まいばすけっとの快進撃に触発でもされたのだろうか?
あれはスーパーの安さをコンビニ感覚で展開するからウケたのであって、高級とクオリティを売りにする百貨店が同じやり方でやっても成功しないと思う。

今では、百貨店にあるものは、大型スーパーやショッピングモールに行けば買える。
かつてはスーパーの方が値段が安かったが、百貨店業界も長引く不況で低価格路線を進めてせいで値段の差はなくなって来た。
でも、それでも客足は戻って来なかった。

百貨店は、非日常と信用を売るところ。
贈答品で近くのスーパーでなく、わざわざ都心の百貨店で買って贈るのは、同じものでも包み紙のブランドで付加価値を付けたいからである。
(スーパーの包み紙だったら、「安かったから贈ったのか?」と思われてしまうのではという可能性もあり。贈答品の性格にはなじまない。)

消費者に近いところに、という気持ちはわかるが、百貨店がコンビニ化してしまえばブランド価値が下がってしまって逆効果になってしまうだろう。

「コンビニ型百貨店は成功するのか?」

と聞かれれば、「大いに疑問である」と答えるしかない。

じゃあ、どうすればいいのか?
若い単身や核家族が多い街の出店なら、昔からのしきたりや礼法に自信がない人が多いので、そういった人たちが「ここで買えば間違いない」というものを揃えておき、アドバイスが出来るような店員を配置しておくとか、百貨店が厳選した品物やお菓子を置き、地域のセレクトショップ的な存在になることを目指すくらいだろうか。

コストや品揃えを考えると、短期イベントであればいけるだろうが、日常的に存在する店舗として永続出来るかと問われれば、正直自信はない。

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