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2012/04/17

Amazonの国内電子書籍市場参入で何が変わるか?

今日の朝日新聞の朝刊によると、Amazonが日本上陸に向けて、着々と準備中のようです。

■アマゾン電子書籍、40社と配信合意 学研・PHPなど

Amazon_20120417

 

先日、Kindle投入についてのニュースが流れましたが、やはり抜かりなく進めていたようです。どんなに優れたハードでも、ソフトがなければ意味がないのは言うまでもありませんが。

さて、日本企業の電子書籍ビジネスはどうなるでしょうか?
これによって、日本の紙を含めた書籍ビジネスのあり方自体も大きく変わると見ています。

まず最初にダメージを受けるのは、パソコンをメインに課金連携で電子書籍を販売しているポータルサイト。独自で作品を探して来て、売り場を演出するような能力もなく、大手の電子書籍サービスの課金連携くらいしかやってません。

Amazonに対して、課金連携を求めるか、取り次ぎ手数料ビジネスを提案するくらいしか策は出て来ないはずです。だから、Amazonに拒否されたら終了は近いと思います。

では、他の国内電子書籍ビジネスのプレイヤーはどうか?
「日本人ならではの細やかさ」とか「日本人に合ったコンテンツ」といったあまり意味のない修飾語を付けて、Amazonっぽいやり方をマネたものを出して来るでしょう。

彼らのビジネスの見た目をマネしても絶対に勝てません。
形だけをマネても無理です。
「電子書籍を売る」ではなく、利用者が「電子書籍に何を求めているのか?」を掘り下げて考えるべきです。

それは「利便性」かも知れないし、「手軽な時間つぶし」かも知れない。
あるいは「部屋やカバンの中のスペース削減」かも知れないのです。

自分たちは、紙の書籍、あるいは電子書籍を通じて利用者にどんな体験をしてもらいたいのか?それが明確になっていれば、生き残る方法はいくらでもあります。
問題は、国内の書店や電子書籍サービス会社が、それに気が付くかどうかです。

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