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2012/04/14

日本の大企業の社長の話がつまらない理由

ちょっと美化し過ぎているきらいはありますが、久しぶりに「我が意を得たり」と思った記事。
アメリカの大企業と日本の大企業の違いから、日本の大企業の社長の話がつまらない理由がよくわかります。

■なぜ、夢を語れない企業は成長しないのか。日本とアメリカの大企業の決定的な違いとは? (ダイヤモンド社 書籍オンライン)

ちょっと長いのでかいつまんで書くと、こんな感じでしょうか。

《アメリカの大企業について》
ワクワクしたビジョンとか会社のあり方というのは、「この会社の存在意義は何か」という本質を真面目に考えつくした結果として出てくるものだ。
すごく印象的だったのは、彼ら(=ビル・ゲイツやhp、CISCOの経営者)が「今後、どういう社会にしたいのか」とか、「その中で自分たちはどうあるべきか」をとうとうと語っていたこと。
自分たちはどうあるべきか」とか、「成功とは何か」とか、「企業とは何か」ということを普段から突き詰めて考えている証拠だと思う。

《日本の大企業について》
日本の大企業、たとえばNTTとか、ドコモとか、ソニーとか、パナソニックなんかに話を聞きに行っても、経営者からそういうメッセージは、まず聞かない。大企業の社長のほとんどはサラリーマンなので、創業者と違って「自分たちの存在意義は何か」という根本的な問題を考えずに、どちらかというと事業活動の成果を上げて出世して社長になった。大企業の社長で、自分のアタマで考える習慣がない人たちが多くなっているという感じがする。

こうした結果、日本の大企業の場合、社長のメッセージを聞いてもワクワクしないし、業績が総崩れになっているのでしょう。

高品質のものを低価格で大量生産の時代が過ぎ、モジュール化が進んで新興国でも見劣りのしないものを早く安く作れるようになると、メッセージやストーリーを持たない先進国の企業は厳しくなります。

iPhoneなんて、日本の大企業では絶対に作れません。
技術的には可能ですが、製品化は無理です。
もし同じものをアップルより前に、どこかの日本の大きなメーカーに勤める社員が企画したとします。
ワンセグも、おサイフケータイもなく、若い女性向けのカラーもない。
「市場調査でちゃんと消費者のニーズを聞いたのか?」
と一発で却下です。
スティーブ・ジョブズばりに、そこにある哲学を語っても、企画が通ることは絶対にないでしょう。
だって、社長以下、決裁権を持っている人たちは、「自分たちの存在意義は何か」という根本的な問題を考えずに、事業活動の成果を上げて出世した人ばかりですから。

日本の大企業にも、ここにあるように本質を真面目に考え尽くして何かを成そうとする人はいます。でも、それには大きな困難がつきまといます。会社中、いや日本の社会全体を覆い尽くした価値観とは異なる考え方を主張するわけですから。

アメリカの大企業のように変えようと動くことは、すなわち異教徒を改宗させるのと同じようなもの。簡単には行きませんし、ガチでやろうとすると摩擦も大きく、迫害や弾圧の対象にもなりかねません。今のご時世、そこまでのリスクを冒してまでやろうとする人は、限りなくゼロに近いでしょう。

そう考えると、日本の大企業が再生するのは、まだまだ先になりそうな気がします。
もし変化を起こそうとするなら、同じ志を持った人たちでスピンアウトするか、起業するしかないでしょう。こうして生まれた小さな芽が無視出来ない影響力を持ち始めた時、やっと変わるのではないでしょうか。

理想を求め続けて、笑ってしまえるくらい痛い目に遭っている自分が言うのだから、大きくズレていないと思います。

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