米アマゾンCEOが語る「顧客中心」と言う企業の嘘とは?
日経ビジネスに掲載された米アマゾンCEO ジェフ・ベゾス氏のインタビュー。
「顧客中心」と言い張る企業の“嘘”をわかりやすい言葉で喝破しています。
■「顧客中心」と言い張る企業の“嘘”を教えよう 米アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾスCEOインタビュー(前編)
「顧客を中心に考えていると言い張る会社の行動を見て下さい。実際に何を言っているのか、何をしているのかを見れば、決して顧客中心でないことが分かるでしょう。メディアに対して最大の競合他社の名前を挙げる。これは競争相手中心であることの明らかな兆候です。もちろん、私はこれを間違いだと言っている訳ではない。会社によってはそれでもいいのです。
「close following(すぐ後ろからついていく)」という戦略があります。競合の一挙一動にじっと目をこらし、何かした時にはうまくいくかどうか様子をうかがう。うまくいけば、迅速に真似をする。この戦略はある意味難しい。だからこの戦略を取る会社を非難すべきではないとは思う。
だが、同時に彼らは何も発明していないのです。何も発明していないということは、すなわち先駆者ではないということ。誰かの後ろについていくのは、顧客ではなく競争相手が中心にいるということです。」
エッセンスは、最後のこの言葉に集約されていると思います。
「何も発明していないということは、すなわち先駆者ではないということ。誰かの後ろについていくのは、顧客ではなく競争相手が中心にいるということです。」
日本企業が軒並み総崩れになっている原因はこのひと言に尽きるのではないでしょうか?
自らがお客さんに向き合わず、アマゾンやアップルなどの「成功事例」を研究して、ビジネスモデルや商品の形を似せることに汲々としています。
そして、業績発表や新製品発表会の場で、日本の経営者から出て来る言葉は、競合他社や商品の話ばかり。どこにもお客さんに対して「こんなにすばらしいものです」「こんなにハッピーになれます」という想いやメッセージがありません。これでは、業績やブランドの下降線は止まらないのも当たり前です。
では、日本の大手企業の中でベゾス氏のようなマインドを持った人がいたら変わるでしょうか?
その思想を支持する人は存在しても、組織内世論として主流になるかと言えば悲観的です。
大企業はその規模ゆえに方向転換に時間がかかりますし、今の余裕がなくなった状況では、少しでも「ミス」につながる「リスク」はことごとく回避する傾向にあります。
だから、もし日本企業内で変化があるとすれば、機動力のあるベンチャーか大企業の一部門が分離独立(あるいはそれに近い)したところか、あるいは異業種からの参入によるものであると自分は予想しています。
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