インターネットプロバイダーが無くなる日
auが月額料金にワンコイン追加するだけで、WiMAXが使えて、しかもテザリングにも対応したスマホを出した時、
「これでインターネットプロバイダーという事業が無くなるな。」
と感じた。
スマートフォン(以下スマホ)になると、ほとんどパソコンと同じ。
サイトの作りやコンテンツのフォーマットもフィーチャーフォン(以下ガラケー)よりははるかにパソコンに近くなる。
ガラケーからスマホへのシフトが急速に携帯キャリアが、いま以上に収益を上げようとすれば、コンテンツ配信やクラウドサービスにシフトする。
奇しくもそれは、パソコン向けだけでは頭打ちになったインターネットプロバイダーが広げようとしている事業領域とかぶる。
これまでは、携帯キャリアとインターネットプロバイダーは、相互に協力し合い、ともに成長して来た。それは両者の間に棲み分けが出来ていたからである。
しかし、両者の事業領域が重なるようになったらどうなる?
最初はこれまでの付き合いもあって譲り合いもあるだろう。
ただ、携帯キャリア業界内での競争激化や海外からの参入があったら、携帯キャリアも自尊自衛のためにインターネットプロバイダーのテリトリーを浸食せざるを得ないだろう。
そうなると、企業規模で劣るインターネットプロバイダーは厳しくなるし、差別化出来なければ、存続も難しくなる。
価格面で3G回線+WiMAXスマホだと、スマホとWiMAX別々に契約するよりも、3,000円ほど安くなる。これまではインターネット費用と電話代などの通信費は別物という感覚だったが、こういう商品が出て来ると、インターネット費用も通信費のカテゴリーに組み込まれ、利用者はトータルでの金額で考えるようになる。
これまでは、スポンサーに遠慮してなのか、あまりその辺を言うメディアはなかった。
だが、ついに『日経トレンディ』最新号の特集「総額100万円以上!?生活コストを下げる」で明らかにされてしまった。
(『日経トレンディ』2012年7月号特集「総額100万円以上!?生活コストを下げる」)
通信費の節約コーナーで思いっきり書いてあった。
固定回線を解約して家でもスマホのテザリングで対応する。
きっと、既に他の雑誌などでも紹介されているだろう。
新聞の家庭欄、テレビの情報番組で同じ情報が流布されれば、インターネットプロバイダーへのダメージは相当なものになるはずだ。
2014年には、携帯電話の全契約数に占めるスマホの割合が50%を超えるという。
そのうちどれくらいが、WiMAXやLTEテザリング対応なのかはわからないが、その時にはいくつかのインターネットプロバイダーは無くなっているのではないか。
少なくとも今の規模とプレゼンスを維持するのは難しいと考える。
若干可能性があるとすれば、爆発的なスマホの普及で電波の帯域が逼迫し、パフォーマンスが出なくなる可能性がある。そのオフロード手段やバックアップ回線として生き残る方法はある。
インターネットプロバイダーが携帯キャリアに対して伍していく方法はないわけではない。
ここで言うことは出来ないが、2手先までは手を打ってある。
それを使えるかどうかはわからないが。
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