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2012/08/04

教学研究社が廃業に

近所の本屋に立ち寄ったところ、学習参考書コーナーにこのような貼り紙を見つけた。

Dsc_0155

「教学研究社、廃業につき 10%値引き販売中!

※内容的には問題ございません。
※出ているものが全在庫です。

追入荷はございません。お早めにお求めください」

Dsc_0154

「力がつくシリーズ」は、中学の時に通っていた塾の指定参考書だったので、同社の参考書・問題集には、ずいぶんお世話になった。
特にこの時期になると、夏期講習の宿題として、汗をかきながら(昔は自室に冷房もなく、扇風機だけだった)深夜まで格闘したのを思い出す。
また、同じ塾に講師として勤務していたこともあり、中学部の「力がつくシリーズ」だけでなく、小学部の「力の5000題」も授業で使った。

力の5000題算数
(これが「力の5000題」。バリバリの文系人間だったが、塾講師としては理数系専門。苦手だった分、わからない子にわかるように教えるのは得意だった)

自分にとっては、縁が深すぎる出版社だった。
それだけに、この貼り紙を見た時はショックを受けた。

自宅に戻り、調べてみると、こんなニュースがあった。

■教学研究社(大阪)、破産手続き開始決定-負債6億円(2012年7月6日)

(株)教学研究社(資本金1,000万円、大阪市西区新町3-4-8、代表 小谷一夫氏、従業員43名)は、7月5日に大阪地裁より破産手続き開始決定を受けた。
(中略)
「中学事典」「力の5000題」などを主力として、関西地区では一定の知名度を得ていた。問屋向けを中心に販売活動を行い2003年8月期には年売上高約17億円を計上していた。
(中略)
少子化の進行に伴い売り上げは徐々に減少し、2007年8月期の年売上高は約12億5,000万円までダウン。赤字決算を計上して以降、業績は回復せず厳しい資金繰りを余儀なくされていたなか、割引手形利用などでしのいできたが限界となり今回の措置となった。
負債は推定6億円。

やはりここでも少子化の影響が。
今の学習参考書のように、噛んでふくめるようなものではなく、割と高いレベルの内容だったのも大きいのかも知れない。

昔、難しい内容をやさしくわかりやすく教えることで有名だった大手予備校の講師が、
「今は東大・京大、早慶上智を狙う学生でも自分の授業に付いて来れなくなっている」
と嘆いていた。
これが10年ちょっと前の話。
今は、推薦入試やAO入試の拡大で当時よりもっと厳しくなっているはずだ。

こうした時世で生き抜いて行くのは厳しいだろうが、それでも良質な難問を作れる出版社が日本から消えてしまうというのは、非常に残念に思う。

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