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2012/12/15

イノベーションについて考える

今あるものの改良や改善といったオペレーションは、正解がわかっていることが多いので工数をかけた分だけの成果が出てわかりやすい。
ミスやロスを減らすといったものがその代表。先進的な事例や理論、ITの導入などで効果が数字でわかる。しかもその変化の過程を継続して把握出来る。

でも、今までになかったものを作り出すイノベーションの場合は、そうはいかない。
何も事例もないし、理論もないから、全部自分で考えなければならない。
どこに正解があるかは自分で見つけ出すまでわからないから、成功が見えて来るまで成果はないに等しい。積み上がった失敗の数がめげなかった成果と言えるくらいだろうか。
何より周りに説明するのが難しい。最初はコンセプトくらいしか説明出来ないわけで、材料や方法論は検証していった後じゃないと本人ですらわからないわけだから。

他にない、今までにない新しいことをやろうとしても、このご時世の日本では限界がある。
昔は、冷遇されても信念と熱意だけでがんばって最後に成功を勝ち取るようなイノベーターも企業内で生息出来たが、今ではリストラでさっさと切られてしまう。

失われた20年の結果、新しいことを生み出さずに改善と改良で偉くなった経営者や管理職が増え、ますますイノベーションは生まれにくくなった。

世界的に大ヒットしたiPhoneだって、日本製部品が多く使われている。
全部日本製品で同じものも作れるだろう。
でも、なぜ日本企業からiPhoneが生まれなかったのか?
リスクを恐れるから改善、改良ばかりの二番煎じ商品。消費者に伝える想いやメッセージが希薄でおもしろみのないものばかりだからだと思う。

きっとこの流れは変わらない。
しばらくは日本企業、日本製品の苦境は続く。
それだけは間違いない。
これからの日本が労働集約型の大量生産モデルから知識集約型の高付加価値モデルに移行する以外で先進国としての地位を維持する方法を見つけ出せれば話は別だが。
少なくとも大企業と呼ばれるところからイノベーションが生まれることはなく、可能性があるとすれば新興市場かベンチャー企業からだろう。

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コメント

最近の記事から イノベーションについて考える を 拝見しています。
何か 素敵な 夢のある 新しいアイデアが 生まれてくると いいですね。
島国日本 経済発展した輸出輸入の国
実は イノベーションの意味を ウェーブで 検索した 知識のない私です。
失礼しました。
子供の頃 観た SFのような未来かなぁ
ロボットも すごいですね。
情報が すべてを 解き明かす時代が いつかくるのかなぁ。未来の乗り物。未来レシピ~世界平和と人類愛~

投稿: 村石太マン 愛知県から発信 | 2012/12/22 22:00

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