経験を経て知る価値
20代の頃、2人の尊敬する上司がいた。
一人は、情報の感度が若者以上に高く、柔軟な思考は相手が話すよりも先に結論に到達
し、その先を見る目と行動力は奇想天外だったが、20年後の今ことごとく正解だった。
もう一人は、伝統的な価値観を持ち、古典芸能をこよなく愛する人だった。
物静かな反面、
「正直、自分は嫌いだが若い君たちが『良い』と言うのだからそれが正しいのだろう」
と若者の価値観を信じ、その実現に向けて相手が役員であっても、その実現に向けて口
角泡を飛ばし全力で戦ってくれる熱い人だった。
若い時は前者の上司にすごさを感じた。
だが、今になって当時の上司と同じ年齢、同じ立場に立つと、後者の上司の大きさとすごみを感じる。
「同じように信じられるだろうか?」
「同じように言えるだろうか?」
「同じように戦えるだろうか?」
自問するたびに、その存在は大きくなってく。
へたれチキンの自分には、とんでもなく高い壁である。
これが経験を経て知る価値なのだろう。
新卒で入ったこの会社をゆえあって離れてしまったが、この年になっても「かくありたい」という人と何人もめぐり合えたのは、改めて大きな財産だと思う。
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